岩手・沿岸南地区の高校球児が29日、東京6大学の早大野球部から技術指導を受けた。早大の震災復興支援の一環として野球教室に招かれ、陸前高田市の高田高校屋内練習場に高田、大槌、釜石、釜石商工、大船渡、大船渡東、住田の7校が集結。午前9時から約4時間の実技に加え、昼食をともにして交流。高田の佐々木明志監督(48)は「昼食時の交流や前夜の同宿など、技術的な話だけではなく精神的にも刺激を受けたはず。とても貴重な経験になった」と感謝した。

 今回の野球教室は、佐々木監督が早大野球部出身という縁で実現。昨夏は同OBの援助で流失した公式戦ユニホームを新調するなど支援を受け、今度は直接指導という形で支えられた。震災から10カ月が過ぎて復興支援が少なくなる中、風化を防ぐことにもつながり、同監督は「本当にありがたい。(早大の)岡村監督が『次は宮城や福島にも行けたら』と希望をおっしゃっていたし、この恩返しとして夏の甲子園を目指したい」と励みにしていた。