【テンピ(米アリゾナ州)21日(日本時間22日)=本間翼、斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(23)に、「イチロー式調整法」が導入されることになった。マイク・ソーシア監督(59)は、23日(同24日)から始まるオープン戦期間中に、打席数確保のため、大谷をマイナーの練習試合にも出場させる方針を示した。ベテラン選手などが実戦の打席を求めて同様の措置を取るケースもある。01年メジャー1年目のイチローがマイナーの試合に飛び入り参加し、1試合で13打席に立ったこともある。

 「先駆者」の道を歩む。メジャーでも特異の「二刀流」に挑む大谷に、“イチロー式”の調整が用意される。23日(日本時間24日)から始まるオープン戦期間中に、打席数を確保するため、マイナーの練習試合に出場するプランが浮上した。ソーシア監督は「マイナー戦でも打つと思う。いろいろな形で打つ機会が出てくるだろう。彼の打者としてのリズムを見てみようと思う」。登板間にメジャーのオープン戦とマイナーの試合を行き来することになりそうだ。

 早ければ24日(同25日)のオープン戦・ブルワーズ戦(テンピ)で“投手デビュー”を果たす。日本ハム時代は、シーズン終盤を除き、登板翌日の試合出場は見送られてきた。ソーシア監督は開幕までに6試合程度の登板を予定しており、必然的に、打者として出場する機会は限られてくる。そこで、実戦不足を補うために、マイナー戦に出場させることにした。

 メジャーでも、ベテラン選手らが希望してマイナー戦に出場する例がある。日本人メジャー野手1号のイチローが、渡米1年目の01年に3Aと2Aのグラウンドを行き来し、1日で13打席立ったことがある。イチローは2年目以降も同じスタイルで打席数を確保しており、大谷も投手調整で不足する実戦打席を、同様のやり方で補うことになる。

 この日の「打者大谷」は、先発ローテーションとして期待されているヒーニーや、昨季48試合に登板したベドロジャンの「ライブBP」と呼ばれるフリー打撃の打席に立ち、目慣らしをした。打撃コーチが投げるフリー打撃では、バックスクリーンを越える推定140メートル弾も披露し、36スイングで6本の柵越え。「毎日が勝負だと思ってますし、毎日いいものをグラウンドの中で出していきたいと思っています」。開幕へ向けて、存在感は増していく。

 ◆イチローのマイナー調整 マリナーズ移籍1年目の01年3月27日に初のマイナー調整。3Aと2Aの紅白戦に、両軍のイニング先頭打者で出場。7回表までに13打席に立ち1本塁打、2盗塁を含む12打数6安打。セーフティーバントも2度試みた。