奮起せよ! 広島緒方孝市監督(46)が、チャンスをつかめていない若鯉に発奮を促した。練習試合・西武戦では初めて「2番三塁」で梵を起用。開幕を見据えた措置だった。名指しこそされなかったが、途中出場で無安打に終わった堂林翔太内野手(23)も悲壮感を募らせた。チャンスは残り2試合。最終判断まで含めても5試合だ。何がなんでも結果が求められる。

 歯がゆかった。結果が出ていないだけではない。内容も、戦う姿勢も、緒方監督は物足りなさを感じていた。目の前に転がるチャンスをつかめないでいる現状。特に顕著なのは三塁だ。指揮官はこの日「2番三塁」で初めて梵を起用した。その意図は明確。開幕を見据えての判断だった。名指しこそ避けたが、問わず語りで話し始めた。

 緒方監督 結局開幕を見据えたときに、三塁は残念ながらという言い方は違うが、そういう形(梵らベテランに)になってしまうのかと。チャンスは何回も何回ももらえるほど甘くはない。

 ここまでのオープン戦5試合で三塁は堂林を最多の3試合でスタメン起用。だが9打数1安打と振るわず、途中出場を含めても10打数1安打。練習試合を入れても22打数5安打と結果が出ていない。シーズンを見据えてもチャンスは与え続けるものではない。指揮官の言葉に堂林も悲壮感を漂わせた。

 堂林 出番が減っているのは分かっている。言われた通り、少ないチャンスで結果を残さないと残れない。状態がいい、悪いではない。やれることをしっかりやるしかない。

 堂林だけではない。野間、鈴木誠も失策を犯した。結果が出ない若手に、残されたチャンスは明日14日からのオリックス戦2試合。そこの振り分けで残ったとしても、20日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で開幕1軍メンバーが事実上の最終決定となる。

 木村昇、広瀬、赤松ら力量が分かっているベテラン陣は2軍にも控えている。戦力の底上げにつながる若手の成長を促してきたが、タイムリミットは迫っている。徳俵に足をかけた若手の底力が試される。生命力のある選手が生き残るのだから。【池本泰尚】