<ロッテ5-8広島>◇15日◇QVCマリン

 広島ブラッド・エルドレッド内野手(33)が逆転満塁弾で10連敗を阻止した。3点を追う7回1死満塁、益田の真ん中スライダーを押し返した。キング独走の21号をバックスクリーンに直撃させ、敗北ムードを一蹴。「本当に興奮した!

 やっと止められたよ…」。連敗を9で止め、久々に笑顔がはじけた。

 この日は「父の日」。朝起きると、千葉に同行中の愛妻と娘2人からシルバーネックレスを贈られ、早速身につけた。そして、左腕には父への感謝を表す青いリストバントを巻いた。米国で暮らす父ジムさんは恩師でもある。「少年時代、打てなくても怒られなかったけど、しっかり走らなかったり怠けた時はきつく叱られた。どんな時も全力で取り組む大切さを教えてくれたんだ」。試合後、用意していた「I

 LOVE

 YOU!」という言葉を電話で伝える前に、最高の結果を届けることができた。

 9連敗中は3本塁打。ただ、30打数で安打はその3本だけ。練習後には野村監督から肩の力を抜かれていた。「マジメだから全部打ってやろうとカリカリしていた。見逃し三振してもいいじゃないか、いいところで打ってくれればいい、と伝えた」と指揮官。常日頃から直接アドバイスをくれる“日本の父”にも、劇的弾をプレゼントした。

 打線が7、8回で6得点し、3位転落を回避。野村監督は「すごい勝ち方だね。ひとつ穴があくと、みんな振りが変わってくる」と満足げだ。首位巨人とは4・5ゲーム差。大砲が再びパッチリ目を覚ませば、もちろん追えない距離ではない。【佐井陽介】