小池知事はコーツ氏との会談後も「東京の(暑さ)対応策はIOCにお墨付きをもらっているので、自信を持っている」とし、変わらず東京開催を推し進めていく強い意向を示した。

札幌移転の場合、費用負担の話があったかどうかは「この後、ゆっくりお聞きになったらいいと思う」と説明を拒否。IOCバッハ会長が東京の暑さ対策の取り組みをドーハ大会後も高く評価も、一転して札幌移転案を打ち出した経緯について、コーツ氏から説明を受けたが「分かりにくかったですね」と切り捨てた。移転を決定とした上での説明に、IOCへの不信感やいらだちを隠さなかった。

会談前の定例会見でも、徹底して東京開催案を打ち出した。代替案にも言及。競技時間の前倒しも「検討の余地はある」としたが、午前3時開始報道は「それはちょっと」と否定。復興五輪としての東北開催案の存在にも「都として取り組んでいくかは別だが、案があるのは承知している」と初めて触れた。

一方、札幌移転案が決定となれば、費用については「都としては負担できない」と断言。さらに「遮熱性舗装など費用がかかったことは事実。リーガル(=法的な)問題としても分析していく必要がある」とし、補償請求も辞さない構えを見せた。【近藤由美子】