「来年またリベンジさせて」大神康司選手

初めてお会いしたのは、去年の油津港まつり（宮崎県日南市）の時。ペアボート終了後に「花火まで見たかったんですけど…」と名残惜しそうに次のお仕事に向かわれたのが印象的でした。

: 宮崎県日南市で行われた花火大会の風景

去年に引き続き今年も日南でのペアボート乗船会に参加する予定だった大神康司選手（46＝福岡）。“予定だった”というのも、なんと今年は台風の影響でペアボート乗船会自体が開催中止となってしまったんです！

「行く気満々で荷物を準備してたんで、だいぶ残念でした」と言いながらも、去年参加した時のことなどを思い入れたっぷりに話して下さいましたよ。

: 昨年の7月に宮崎県日南市の油津港で行われた、ペアボート乗船会に参加した選手のみなさん。左から2人目が大神康司選手です

福岡ご出身の大神選手が、なぜ宮崎・日南でのイベントに参加されることになったのかというと「もともと芦屋に勤務してた方とたわいもない話をしてた時に、その人が油津の話を聞かせてくれたんです。

担当者　：『ペアボートして最後に花火も見れてすごくいいらしいよ～』って。

大神選手：『えっ？！　そういうのやってるんですか？　いいねー。俺も行ってみたい。呼んでくれたら絶対行きますよー！』って言ったら

担当者　：『ホント？　そんなら言っとくよ』

大神選手：『ぜひお願いします』っていう、最初はそんな流れで日南のペアボートのことを知ったんです。それでホントにちゃんと声をかけてもらったんで、ありがたく行かせてもらいました。」とのこと。

こうして初めて参加した去年の油津港まつりは、「なんかこう、あの油津の町の雰囲気もいいじゃないですか？　町の人たちも親しみやすいし、市役所の方たちも一生懸命盛り上げようとしているのが伝わってきて、一緒に過ごすのも楽しかったし。前日の表敬訪問とか前夜祭とか、今まで経験したことのない感じの雰囲気をいっぱい味わえて…40数年生きとってああいう経験は初めてでしたし、町全体で“ようこそ！！”みたいなのがすごくうれしかったなぁ」と、大神選手ご自身も日南の方々、そしてファンの人たちとの時間を楽しまれたようでした。

今年の中止を受けて、「来年またリベンジさせてください！　って担当の方に伝えました。実は、去年も今年も油津のペアボートに行く直前のレースは2回とも優勝してるんで、来年も呼んでもらってまた優勝して乗り込みたいですね」と縁起のいい話も聞かせてくれましたよ。

今はこうしてイベントにも参加できるようになった大神選手ですが、3年前には肩の筋肉の完全断裂で手術をし、6カ月半も治療に費やされました。すぐ次の期にA1復帰した実力は誰もが認めるところですが、ご本人は「いやぁ、まだまだです。7点台を取ってた頃に戻りたいっていうのはありますし、あきらめてはないですけど、抽選運とかもあるのでなかなか難しいし葛藤はありますよ」と話されます。

「でもそのうちいい流れが来るかなとも思ってるし、今は悪くてもそのいい流れが来るための準備だけはしときたいから、ジムに行ったり朝から走ったり、プール行ったりしてます」とトレーニングを欠かさないのは「必ず体力って落ちてくるものなんでしょうけど、その速度をできるだけゆっくりにしていくための努力はしていきたい」という思いから。

「やっぱり向上心が無くなったり油断したら、この仕事すぐ終わると思うんですよ。だから整備とかプロペラとかでも、良くなったからこれくらいでいいわぁじゃなくて、いろんなパターンでいけるように、その辺は欲深く追及していってます」という言葉に、強くあり続けるためのプロ意識を感じさせてもらいました。

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「ボートの仕事はもちろん一生懸命やってますけど、ボートのことしか知らないっていうのは、人生もったいないなぁと思うんです。だからいろんな人と会話したいし、違う世界のことも教えて欲しいって思うから、レースしてないときも体が1個じゃ足りんかなぁっていうくらい忙しいときもあります」と笑いながら話します。

そんな大神選手を応援している〈九州大神会〉のメンバーで、おすし屋さんの大将をされている藤村高雄さんにその魅力をお尋ねすると「気が利いて、うそのない信用できる人間です。大神康司をよろしくお願いします！」と、大神選手のお人柄に太鼓判を押していらっしゃいましたよ。

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