G3勝ち上がり表
G3勝ち上がり表

S級の勢力図を変えるかもしれないG3が、来年1月4日開幕の立川からスタートする。

競輪を統括するJKAは14日、来年1月からの4日制G3勝ち上がりの変更を発表した。12R制の主な改正点は初日特選が3個から1個レースに減り、1次予選が11個レース、2日目は無事故完走なら準決に進める優秀がなくなり、2次予選Aが4個、同B3個レースになる。

そこで今回の【敢闘門】は選手に緊急アンケート。松戸F1ナイターに出走していた4人に聞きました。

池田憲昭(撮影・野島成浩)
池田憲昭(撮影・野島成浩)

池田憲昭(36=香川)は改正を前向きにとらえていた。「ギア規制とかルールとか、システムの変化に対応する人が強い選手。四国では香川雄介さんや小倉竜二さん。目標です」と前置きしてから、勝ち上がり表を見やった。特に視線を注いだのは1予から2予、準決へのルート。特に2予Bから準決に上がれるのは1、2着選手だけ。「2予Bから準決に行くのは難しい。何が何でも2予Aに行かないと駄目。1予は400バンクなら最終ホーム。短走路なら、打鐘でどのあたりの位置にいるかが大事。そこでしっかり判断したい。準決にたどり着けば、あとは今までと一緒」。サバイバル突破のポイントは初日にありの分析だった。

高橋陽介(撮影・野島成浩)
高橋陽介(撮影・野島成浩)

今年5度のG3で全て特選シードだった高橋陽介(36=青森)は、表を見て発奮した。「特選が1つしかないの? 競走得点が113点か114点ぐらいないとシードされない。107点に届かない僕は無理だよ。頑張らないと」。

今年の12R制G3は、基本的にS班が3名ほど配分されるケースがほとんど。新しいG3の特選はS班3名と、1班6人の構成になりそうだ。高橋は「1予に回る1班の選手でも、110点はある。逆に言えば、本線の一員として走れば有利。とにかく、競走得点を上げたい」。

吉田昌司(撮影・野島成浩)
吉田昌司(撮影・野島成浩)

7月にS級特昇した吉田昌司(21=茨城)は徹底先行で奮闘中。ただG3は未体験とあって「どっちにしても厳しい戦いですよね」が第一声だった。従来は1予から2予へは、4着権利だが、改正後は5着でも進めるようになる。単騎選手が中間着を狙って先手ラインに加勢すれば先行選手に有利に働く。しかし、吉田は「僕は出切れないと駄目。たたけなかった時点で、切り替えられちゃう。もっと組み立てをうまくしないと」と課題を挙げた。

安部達也(撮影・野島成浩)
安部達也(撮影・野島成浩)

来期にS級復帰する安部達也(41=埼玉)は、目の前の戦いに集中する。「今は先を考える余裕がない。12月にレインボーファイナルがあるとかも頭にない。競走得点が低ければ、きびしい番組になるのはどんな勝ち上がりでも一緒。頑張るしかないから」と話した。

他にも選手の一致した意見は「G3初日は本命選手がしっかり勝つ、順当なレースが増える」や「S班が準決に行けないケースが増える」、「2日目に選抜回りになると、最終日は特秀には行けない。競走得点はどう設定されるのかな?」などなど。もしかしたら選手の走り方も変わるかもしれない。【野島成浩】