日本代表FW本田圭佑(29=ACミラン)が、12日のW杯アジア2次予選シンガポール戦(アウェー)で「新兵器」を実戦配備することが8日、分かった。契約するミズノ社の新スパイク「IGNITUS(イグニタス)4」で、開発に約1年半をかけた新兵器。同戦と人工芝の17日カンボジア戦(アウェー)に向けて足元を固め、今日9日にチームに合流する。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)ら国内組の本隊は8日、千葉県内で軽く練習し、成田空港からシンガポールへ出発した。

 本田が新スパイクを履いてシンガポールとカンボジアのアウェー2連戦に臨む。契約するミズノ社と二人三脚で生み出した「新兵器」で日本をけん引する。今回は2年5カ月ぶりのモデルチェンジ。関係者によれば、水面下で極秘裏に行われた開発作業は日本とミラノを担当者が何度も往復し、約1年半をかけたという。足場の悪い東南アジアでの2連戦。最高のタイミングで実戦配備される。

 シンガポール戦の会場は昨年10月のブラジル戦でも使用され、当時は“砂場”のような劣悪な状態だった。不安が残る。さらにカンボジア戦会場は慣れない人工芝。ハリルホジッチ監督も「技術面で影響があるだろう」と心配している。心強い“相棒”とともに不安なく臨める点は大きい。

 従来のモデルは武器であるFKの際に無回転や縦回転をより蹴りやすくすることが1つのテーマだった。今回はそこに、流れの中であらゆるキックを蹴ることができる仕掛けを加えてあるという。フィット感のあるカンガルー革の採用も、足先まで繊細な感覚を追求する本田のリクエストだ。

 本田は今回の招集メンバーで最も人工芝を知っている。4年過ごしたCSKAモスクワの本拠地と練習場は人工芝で、ミランの聖地サンシーロも天然芝と人工芝を組み合わせた独特のピッチ。こういった側面から、09年5月の初ゴールからここまで国際Aマッチ全32得点のすべてを知る同社の本田モデルは、つねに人工芝対応も念頭に置いて開発されており、不安はない。

 埼玉で開催された6月のシンガポールとのホーム戦ではチーム最多7本ものシュートを放ったが決められず、まさかの0-0で終わっている。今回選んだ新モデルの配色は、初めてのシンプルな白と黒。足元を固めて臨む再戦。まず因縁の相手に“白黒”を付ける。