監督から厳しさ消え、選手の思い空回り
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| 94年、日本シリーズ第6戦前に自身の勇退についての記事が大型ビジョンに映し出される |
精神面のコンディションを考えれば、阪神に気持ちを切り替える時間が1日多くなったと考えたい。2連敗、そして、星野監督勇退という衝撃をやわらげるための時間だ。今の阪神は、選手も指揮官も普通ではない状態でシリーズを迎えた。だから負けたとはいえない。しかし、多少の影響を及ぼしているのは、僕も体験しているからよく分かる。
◆西武森監督の勇退 94年、長嶋巨人との日本シリーズ第6戦の前夜に勇退が発覚。翌日試合前に東京ドームの大型ビジョンにニュースとして流れる異常事態もあった。試合は1−3で西武が敗れ、日本一を逃した。
さすがに球場で流されたのは驚いた。あの日、ミーティングで特にその話題に触れなかったが、ベンチに入った瞬間、選手にいつもの元気がないなと感じた。自分にも変化があった。退任を伏せている間は「自分1人の問題」と割り切れたが、いざ公になってしまうと勝負に徹した厳しいさい配ができなかった。
第6戦1試合だけだったが、選手交代にしても「この選手に日本シリーズの思い出をつくってやりたい」と思った瞬間があるほど、やさしくなっていた。今、星野監督を見ていると公式戦の表情じゃないと感じる。
選手だって受け止め方が難しい。「花道のために」という思いが空回りになることもある。いずれにしても、勝負だけに集中するための切り替えが必要だと思う。
特に阪神にとってこの第3戦がカギを握る。これを取ればダイエーがローテーションの谷間になる第4戦に、中4日で井川を起用できるため勝利の確率は高くなる。もちろんダイエーも第5戦に中5日で斉藤先発の可能性が出てきたように、投手起用の面では両チームとも雨によるマイナス材料はない。それだけに、阪神がどれだけ精神的に「普通」に戻れるかに注目したい。(日刊スポーツ評論家)
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