【アブダビ(アラブ首長国連邦=UAE)5月31日=岡本学、西尾雅治、佐々木一郎】中田英が「前」で攻める! W杯アジア最終予選バーレーン戦(6月3日、マナマ)に向け、MF中田英寿(28=フィオレンティーナ)が30日深夜、MF中村、FW柳沢とともに当地へ到着。アブダビ合宿最終日となったこの日の練習から合流し、紅白戦では中村とともに先発組に入った。前回3月30日のバーレーン戦でのボランチではなく、1・5列目の高い位置。得点力不足に悩む日本代表は、中田英のゴールでバーレーンをたたく。
ノースリーブの白シャツに短パン。24選手の中で1人だけ違ったウエアで登場した中田英が、紅白戦でレギュラー組に入った。鈴木を1トップに試合当初、中田英は左の高い位置にポジショニング。鈴木よりは下がり、中村よりは少し前の実質1・5列目に入り、開始早々には右からの折り返しに控え組のゴールへ飛び込んでいった。
前夜の到着約2時間前に終了したアブダビ合宿2日目(30日)の練習では、FWとトップ下のポジションを空けた形の8人でフォーメーション練習が繰り返されていた。ジーコ監督(52)は27日UAE戦後の記者会見で「中田のベンチスタートは考えていない。アブダビでコンディションを見てから、実際に(中田英を)どのように配置するか決めたい」とコメントしていた。ボランチに福西、小野を入れ、両ウイングバックに加地、三都主、3バックに田中、宮本、中沢、さらにGKに川口を据えた布陣で、中田英のポジションとして前回バーレーン戦でのボランチではなく、より攻撃的な位置を空けていた。
日本は深刻な得点力不足に苦しんでいる。キリン杯ではジーコジャパン初の2試合連続無得点。その前のバーレーン戦の得点もオウンゴールのため、3月25日のイラン戦後半21分に福西がゴールを奪ってから、294分間も自力でのゴールがない。FW陣は、2月9日北朝鮮戦後半ロスタイムに大黒が決めてから360分間、ゴールしていない。ジーコ監督の中田英への期待は大きい。
高原の故障欠場、FWの決定力不足、中村との共存を考えれば、中田英の1・5列目での起用が決定的。高い位置で自由に攻めれば、停滞している攻撃陣の活性化につながる。27日にサウジアラビアと親善試合を行ったバーレーンのビデオを見たDF宮本は「前半だけ見たが、サウジの攻めがヒントになった」。バーレーンDFはFWへの対処には強いが、長い距離を動く選手にはマークが付き切れていなかったという。DFラインの後ろに2列目から飛び出すことが有効。その動きができ、なおかつ飛び出した選手にパスも出せる中田英は、バーレーン攻略の最適任者ともいえそうだ。
セリエAを9戦連続出番なしで終え、最後の試合出場は3月30日のバーレーン戦。実戦から遠ざかり、なおかつ現在23試合連続ゴールなしと自己ワーストタイの中田英だが、大一番となれば8年前の予選など数々の修羅場をくぐり抜けた経験が生きる。中田英にとって、昨年4月10日ボローニャ時代のアンコナ戦以来419日ぶりのゴールで、日本は3大会連続のW杯出場へ王手をかける。【岡本学】
[2005/6/1/09:14 紙面から]
写真=代表合宿に合流した中田英(右)は、明るい表情で中村に視線を向ける。暑さ対策で短パンをさらにめくり、ノースリーブのシャツ姿だ(撮影・栗山尚久)
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