イシンバエワ別次元の強さ/世界陸上
<陸上世界選手権>◇7日目◇12日◇ヘルシンキ
女子棒高跳び決勝はアテネ五輪金メダルのエレーナ・イシンバエワ(23=ロシア)が、7月につくった世界記録を1センチ上回る5メートル01を跳び優勝した。室内と合わせ、通算18度目の世界記録更新。
ピレクの失敗で優勝が決まった瞬間は、ポールのテープを巻き直し、相手の試技を見てもいなかった。4メートル70まですべて1回で成功していたイシンバエワは、バーの高さを一気に自身の世界記録を1センチ上回る5メートル01に設定。これからが本番といわんばかりに、場内の視線を均整の取れた174センチの体に集めて助走路に立った。
1回目は体がバーの方向へ流れ、太ももで触れて失敗した。表情が引き締まった2回目。スタンドのトロフィモフ・コーチが風の状態を手ぶりで合図する。力強い助走からポールをしならせ、きれいな倒立姿勢で余裕を持ってクリア。「金メダルを取って、世界新も出せた。本当にうれしい」。マットで宙返りして自身18度目の世界記録更新を祝った。
4メートル50から跳び始め、10センチごとに高くなった3度の跳躍は、まるで練習のようだった。男子で6メートル14の世界記録を持つセルゲイ・ブブカ氏は「彼女の跳躍技術は他の選手と違うレベルに達している。今の技術でスピードと体力を向上させれば、記録はさらに伸びるだろう」と別次元の実力に太鼓判を押した。
「私はプロの棒高跳び選手」と自任するヒロインは、世界新ボーナスとして10万ドル(約1100万円)を獲得した。強い雨と風で決勝が順延された時は「あと2日も待たなければいけないのと思った」というが、その甲斐は十分にあったはず。今季の残り5試合で「5メートル02か03まで伸ばすつもり」と計画を口にした。
[2005/8/13/12:11]
|