検車場内での取材、撮影を禁止するミックスゾーン制度が導入されて1年がたとうとしている。

最大の懸念材料は写真だ。検車場に入れず、自転車を構えた写真すらも収めることができないので、紙面を飾るのは棒立ちや味気ないガッツポーズの写真ばかり。競輪選手としての魅力を伝えようにも、これでは工夫のしようがないのが現状だ。


競輪場の検車場(2018年5月26日撮影)
競輪場の検車場(2018年5月26日撮影)

既存の施設で急ごしらえのミックスゾーンでは“抜け道”も多く、レース後の取材もできず控室に引き揚げられたらお手上げ状態。さらには、狭い通路での取材を余儀なくされて選手の通行の妨げになることもしばしば。「報道関係者と選手・自転車との接触トラブルを避けるため」という本来の趣旨にもそぐわない。

レースを終えた選手が、お互いに話をしている場面が写真に映り込むことも「お客さまへ疑念を抱かせる」ということでNG。プロのアスリートでもあり、試合が終わればノーサイド精神は当然だし、相手がどのような作戦で挑んできていたかを知ることも、競技力向上のために必要不可欠だ。

公営競技という性質上、確かに公正安全をアピールすることも必要だ。ただ、過度の制約は業界発展の妨げになる気もする。せめて写真撮影だけは、どうにかならないものか…。