デビュー前、1度もボート場に足を運んだことがなかった女の子が、少しずつ成長を遂げている。女子ボートレーサーの魅力に迫る「ビューティフル・ボートレース」、今回は深尾巴恵(23=群馬)を紹介する。ピットでの新鮮な出会いに日々喜びを感じ、オフにはカメラを片手に動き回る。好奇心あふれる素顔に迫った。

着実に成長し続ける深尾巴恵
着実に成長し続ける深尾巴恵

 -短大卒業後、なぜボートレーサーに

 深尾巴恵 それまでの人生で、何もチャレンジしていない…という気持ちがありました。具体的にやりたいことはなかったけど、やまと学校(※福岡県柳川市にあるボートレーサー養成学校)の事を思い出して、受験を決めました。

 -やまとの記憶とは

 深尾 高校の時、テレビで、やまと学校の特集を見たんです。それが印象に残っていて。

 -中学はソフトボール部、高校はサッカー部、体を動かす仕事に就きたかったのか

 深尾 ソフトもサッカーも大した実績は残せませんでした。でも、事務でずっと座っているのも好きじゃなかったです。

 -もし、選手になっていなかったら…

 深尾 フリーターをしていたと思います。

 -学校の思い出は

 深尾 1年間しんどかったです。成績が良くなかったので、卒業できるか不安でした。試験の前は胃が痛かった(苦笑)。

スッポンを食べてご満悦の深尾巴恵(右)と今井美亜
スッポンを食べてご満悦の深尾巴恵(右)と今井美亜

 -デビューして、約1年半が経過した。選手になって良かったと思うことは

 深尾 いろいろな出会いがあることです。師匠の本橋(克洋)さんは、私にとってお父さんみたいな人。女だからといって、優しすぎることはなく、はっきりと口に出して、アドバイスをしてくれます。本橋さん以外にも、ボートに対して真剣で、今まで自分が出会ったことがような人がいっぱいいます。

 -結婚願望は

 深尾 願望はないけど、なるべく選手を続けたい気持ちはあります。38歳までは…。

 -なぜ、38歳

 深尾 大きな意味はないけど、できるだけ長く走りたいのと、15年以上走ったら年金がもらえるので(笑い)。

 -休日の息抜きは

 深尾 最近、一眼レフを先輩の進藤(侑)選手に譲ってもらいました。それから、写真にはまっています。最近では桜を撮ったり、シュールな写真を撮って、自分のツイッターに上げて楽しんでいます。

桜をバックに笑顔を見せる深尾巴恵
桜をバックに笑顔を見せる深尾巴恵

 -ボートレースの魅力を

 深尾 お客さんの目線で見ると、100円から(舟券を)買えることだと思います。

 -選手の目線で見ると

 深尾 格好いいところです。デビュー戦の時、自分では全然駄目なターンをして、恥ずかしいと思ったけど、見に来てくれた友達からは「格好良かった」と言われました。そう言ってもらえたことが、すごく、うれしかったです。

※次回は6月14日更新予定


 ◆深尾巴恵(ふかお・ともえ)1992年(平4)9月25日、群馬県生まれ。115期生として、14年11月桐生一般戦でデビュー。15年12月大村タイトル戦で初勝利。昨年の獲得賞金は327万4000円。156センチ、47キロ。血液型B。