絶好調男にジンクスなんて関係ない。毒島誠(34=群馬)がインから一気に逃げ切り、若松オーシャンCに続いてSG連勝。ナイターSGでも単独トップとなる4度目Vを飾った。今年の獲得賞金は1億円を突破し、年末の住之江グランプリのトライアル2nd1号艇へ大きく前進した。2着には笠原亮、3着には篠崎仁志が粘り込んだ。

全く隙のない、圧倒的な強さで史上16回目のSG連続Vを達成した。伸びる笠原亮が攻め切れない隊形になった瞬間、インから一気に抜け出した。台風での中止順延など序盤をかく乱した風は収まり、2走目からつかんだ流れを一度も離さず、7連勝で頂点まで駆け上がった。「乗りにくさがあって不安でした。2Mを回ってからは転ばないように丁寧に回りました」と安堵(あんど)。ゴールでは丁寧に頭を下げ、右手の拳を握った。

前評判の高くない57号機を好出足に仕上げた。「去年、夏場に苦しんだので、それが今年に生きてます」。反省を忘れず、課題を着実に埋めたことが実を結んだ。

SGを初制覇したのが13年丸亀メモリアル。当時は丸亀推薦での選出だった。「思い入れのある水面ですし、自分を大きくしてくれた。恩返しができた。選んで頂いた桐生にも感謝したい」。縁の深い地で、たくましく成長した姿を見せた。

賞金ランクはトップに躍り出た。10月のSG蒲郡ダービーもナイター。史上3人目のSG3連続Vの偉業が懸かる。「昼間も取りたいですけどね。グランプリをできる限り上位で乗れるように。でも目の前の1個1個をやるだけ。それが結果につながれば」。次走は桐生周年。SG4個目Vの最高の手みやげを持って、地元へ凱旋(がいせん)。初心を忘れず、一流から超一流への領域へ歩みを進める。【窪寺伸行】

◆毒島誠(ぶすじま・まこと)1984年(昭59)1月8日、群馬県生まれ。92期生として03年5月、桐生でデビュー。06年9月鳴門で初優勝。G1優勝7回。SG優勝は13年9月丸亀メモリアル、17年11月下関チャレンジカップ、18年7月若松オーシャンカップに続いて4度目。同期は安達裕樹、松村敏ら。162センチ、51キロ。血液型B。