平原康多直線一気の差しで決めた/競輪
<小倉競輪:競輪祭>◇最終日◇23日◇G1
縦横無尽の総力戦で平原康多(27=埼玉)がG1・2冠をもぎ取った。前受けから加藤慎平に競り込み、逃げる浅井康太の3番手を奪取し、番手まくりの永井清史に乗って直線一気に差し切った。2着は海老根恵太、3着は坂本亮馬が入った。12月30日に京王閣で開催されるKEIRINグランプリ(GP)出場9戦士が正式決定。輪界は頂上決戦の1億円争奪戦へと突き進む。
185センチ、91キロの巨体がドームに3度舞った。涙はない。2度制覇で本物といわれるG1タイトルをつかみ、「この仕上がりなら絶対に勝てる」の確信が本物だったことに会心の笑みだ。
強さも本物だった。6月高松宮記念杯は、武田豊樹の番手でG1初制覇へ導いてもらった。だが、今回はすべて単独でレースメークしての完勝だ。前受けから、4車結束で2段駆け態勢の中部勢の上昇を待ち構えた。赤板1角から仕掛けた浅井のダッシュは鋭く、「番手飛び付きを狙ったが、永井に通過された」。ならばと3番手の加藤の内で粘って、最終ホームで強引に飛ばす。2角手前で番手まくりの永井に乗って直線一気。中部勢の後方待機から、漁夫の利を狙った海老根も手玉に取った。
G1初制覇後はG1を3大会連続で決勝進出したが、すべて9着大敗。平原-武田の関東2段駆けに、「タイトルホルダーがやることでない」と批判も浴びた。それでも「ラインは信頼関係」と意志はぶれない。「筋肉を痛める」と、パワーアップの近道であるウエートトレーニングを回避。昔ながらの山登りを中心とした街道練習で、ナチュラルな脚力をつくり上げるなど意志を貫く。
見かけは今風だが、頑固一徹。競輪王を奪取したブルファイトこそ、平原の本領だ。表彰式を終えたヒーローを、スーツ姿の武田が待っていた。共に駆け寄り、無言で握手を交わした。2年連続のGPは「武田さんの前で頑張る」と、以心伝心のGP闘争だ。史上初となるG1・2冠3選手(平原、武田、山崎)が主軸となる、壮絶な1億円争奪バトルがスタートした。【大上悟】
[2009年11月24日7時53分 紙面から]
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