シェルが父子制覇果たす/NHKマイルC
<岡山俊明の本日快晴:NHKマイルC>
東京のマイル戦でクロフネ産駒が大暴れする。岡山俊明「本日快晴」は、ブラックシェルに◎。ここまで弥生賞→皐月賞とクラシック路線を歩んできたが、父同様、大跳びで器用さに欠ける同馬には、広くて直線の長い東京コースが合う。新コンビを組む後藤浩輝騎手(34)も追い切りで好感触を得ており、父子制覇の可能性は十分にある。
クロフネは芝でもダートでも、マイル戦が最も強かった。NHKマイルCはとても間に合いそうにない位置からゴール寸前でグラスエイコウオーをとらえ(1分33秒0は最近10年でキングカメハメハに次ぐ勝ち時計)、武蔵野Sは9馬身もの差をつけた。また、跳びが非常に大きかったから、広い東京は【3 0 0 1】と得意にしていた(唯一の着外はダービー5着)。
クロフネ産駒のブラックシェルは父同様に大型で決して器用なタイプではない。1600メートルも東京コースも未経験だが、今回こそベスト条件の可能性が高い。中山の皐月賞(6着)は1角でごちゃついた時にリズムを崩し、流れに乗れなかった。後藤騎手は「東京の方が断然いい。100%の能力を出せる」と断言する。掛かり気味に追走していた弥生賞のレースぶりを見ると、むしろペースが上がるマイル戦の方がスムーズについていける。さらに「向正面からのスタートもいいね」と付け加えた。スタンドから離れた静かな場所なら、出遅れの危険が少ない。持ち時計がないだけに雨で軟らかくなった馬場も合っている。
ジョッキーは今回初コンビだが、栗東に出向いて追い切りをつけ、フィーリングはつかんでいる。「同じクロフネ産駒のポルトフィーノと同じように、無理に抑えると良くない。脚をためるという感じではなく、馬の走りに逆らわないで乗りたい」と手の内に入れた様子だ。
状態の方も上がっている。今冬の栗東は降雪が多くて大型馬の調整は困難を極め、なかなか体が絞れなかった。暖かくなってようやく満足できる調教ができるようになり、松田国師の嘆きも聞かれなくなった。「欲しいところに筋肉がついて、メリハリのある体になってきた」。馬体の変化は538キロ→532キロ→530キロと数字にも表れている。
今年はゴスホークケンやディープスカイが、皐月賞を敢然とパスしてマイルG1に矛先を向けてきた。正直、手ごわい相手だが、ブラックシェルにはクラシック戦線を経験した強みがある。過去皐月賞6着以内の馬はマイネルタンゴ5着、タニノギムレット3着、コスモサンビーム2着、メイショウボーラー3着、ペールギュント4着、フサイチリシャール6着、ローレルゲレイロ2着。勝ち馬こそ出ていなくても、2着2頭を含め、差のない競馬に持ち込んでいる。十分にチャンスはある。
[2008年5月11日8時28分 紙面から]
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