今年度の目玉と言ってもいい「競輪ワールドシリーズ」が、今月2日の防府ステージで幕を開けた。世界の超一流選手を取材できる機会は貴重であり、競輪担当2年目の自分にとっては初めての国際競輪。パリ五輪でのハリー・ラブレイセンの走りに魅了された1人として真っ先に手を挙げ、開幕戦を担当させてもらった。
3日間取材した中で、普段の開催とはひと味違う部分や独特の雰囲気を感じた。記憶が新鮮なうちに、それを取材後記としてここに書いておきたい。
まずは前検日。ミックスゾーンでいつも通り取材をしていると、4人の外国人選手が一斉に姿を現した。長身にビシッと決まったスーツが似合う。あらためてワールドシリーズが始まるのだという実感とともに、取材エリアに緊張感が走った。
やはり、独特のオーラがある。普段の開催では見慣れない姿に、とあるガールズ選手が「あの人めっちゃカッコ良くないですか!?」と盛り上がったり、「あとでツーショット撮ってください!」と頼んでくる選手もいたりと、検車場もいつもと違う空気が流れていた。
実際にレースが始まっても「珍景」は見受けられた。最も印象的だったのは、初日のガールズ予1・6Rにマチルド・グロが、海外勢の先陣を切って登場した時だった。
その走りを直接見ようと検車場から続々と選手が飛び出してきたのだ。逃げて後ろを8車身ちぎる圧勝劇にどよめきながらも、戻ってきたグロに対する大きな称賛の拍手が響いた。
もちろん、検車場が最も盛り上がったのは、2日目に新田祐大がジョセフ・トゥルーマンを撃破して日本勢の意地を示したシーンだった。しかし、敵も味方も国籍も関係なく、同じ自転車のプロフェッショナルとして、世界トップクラスの戦いを直接目に焼きつけ、そのパフォーマンスに感嘆する選手たちの姿があった。
世界基準の走りに熱狂したのは選手だけではなかった。スタンドにも連日多くの地元ファンが詰めかけた。入場時に配られたであろういろんな国の国旗を振り、日本勢、海外勢問わず大歓声を浴びせた。スケジュールの都合により2日目で防府を後にすることになったが、最終日もさまざまなイベントがあって盛り上がったと聞いた。売り上げも2日目の時点で目標を超え、開幕戦としては大成功だったに違いない。
重要なのは、この勢いを次の小倉ステージ以降につなげることだ。防府では、多くのファンが現地に足を運び、記念レース並みの盛り上がりを見せた。いくら売り上げが目標を達成しても、バンクを包むファンの熱気と歓声がなければ、このワールドシリーズにおいては成功したと言えないと、防府での取材を通して感じた。
これから各地でワールドシリーズが開催される。来年以降につなげるためにも、日本の「競輪」という文化をアピールするためにも、この熱が広がってほしい。そして何より、1人でも多くのファンに現地でこの熱気を感じてほしい。心からそう思える貴重な経験だった。【ハジメ(一 樹)】
























