アルバ皐月14着でも収穫あった/ダービー
<和田美保の私に任せて:ダービー>
敗戦の中に光は見えた。「私に任せて」の和田美保は、皐月賞14着のショウナンアルバに◎を打つ。キャプテントゥーレが逃げ切った前残りの展開の中、折り合いに進境を見せたのは収穫だ。中間も落ち着きがあって好気配。共同通信杯を圧勝した東京コースなら巻き返しがある。
戦国ダービーを制するのはショウナンアルバと蛯名騎手だ。根拠は3つ。
(1)折り合い 皐月賞の敗戦を振り返って蛯名がつぶやいた。「着順としては負けすぎだけど、得たものはあった」。スタートをそろっと出して後方待機。2角を回って少しハミをかんだが、蛯名が抑えると納得して折り合った。向正面で位置取りを上げたのは、遅い流れを考えて意識的に行かせたもの。走り自体はスムーズ。次につながる競馬はできた。仕掛けなくても逃げられるスピードがあるのに、あえてそれをしなかったのは、2400メートルの距離を考えて。折り合い重視の競馬、それが今回生きてくる。
(2)東京コース 全3勝のうち2勝が左回り。最も強いパフォーマンスをしたのが東京芝1800メートルの共同通信杯だ。あれだけ引っ掛かってそのまま押し切るのは並大抵ではない。あれぐらい走れば、勝てる位置にいることは間違いない。蛯名は「得手不得手という程ではないが、器用でない分、広いコースの方がいいんだろう。最後のひと伸びが違う」と話している。メンタル面で成長を遂げているとはいえ、気性の激しいウオーエンブレム産駒。血統的な危うさは背中合わせ。だからこそ、気分良くのびのび走れる東京コースがいい。全能力を存分に発揮できる舞台だ。内で包まれることを考えれば、大外枠もむしろ歓迎だ。
(3)状態 2週続けてビッシリ追われた。陣営は、テンションの心配をするよりも、悔いのない仕上げをすることを選んだ。蛯名はエルコンドルパサーのサンクルー大賞(1着)の前の追い切りを引き合いに出し「あの時もビッシリやったことで、馬がシャキーンとしたんだ」。アルバも同じ。エキサイトする危険もあったが、金曜朝の角馬場を周回する姿は実に落ち着いていた。頭を上げる場面は1度もなく、リラックスして手綱をあん上に預けていた。「具合だけは絶好調」と蛯名。相手関係や展開など勝つために必要なファクターはいくつもあるが、出来だけは文句の付けようがない。昨年の有馬記念。「出来だけは本当にいい」と言っていたマツリダゴッホの時と、雰囲気がよく似ている気がした。
逃げる逃げないではなく、とにかく気分良く走れば持てる力を発揮できる。04年のダービーはハイアーゲームで3着。つかみかけたダービージョッキーの称号がこぼれ落ちた。今年が16回目の騎乗。栄冠をつかむ時がやってきた。
[2008年5月31日7時57分 紙面から]
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