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ディープ第1子に悲願のG1制覇託す

- 母ロングディライトとディープインパクトの1番子
種牡馬ディープインパクトの第1子は誕生から一夜明けた10日、早くも馬房の中を所狭しと元気に飛び跳ねた。生産した北海道新ひだか町の鳥井牧場は、繁殖牝馬7頭という小規模経営。牧場の命運を懸けて高額配合されたドリームホースは2年後の夏にもデビューし、関係者の悲願であるG1制覇を目指して育っていく。
牧場の功労馬である母ロングディライト(父ミルジョージ)が9日夕、出産した10番子にあたる期待の牝馬は、約5時間後には馬房の中で元気に飛び跳ねたという。この仕事に16歳の時から60年も携わっている経営者の鳥井一吉さん(76)は「予定より3日早い出産だったのに、立つのが早かったし、こんなに活発に動く馬は見たことがない。ディープのように顔が小さいし、やっぱり大物かも」と目を細めていた。
毛色は偉大な父と同じ鹿毛。後脚2本には白斑があり、額には父の父サンデーサイレンスの「S」とも見て取れる大きな流星が光っている。妻敦子さん(73)は「ひと目見たら絶対に忘れないこの派手な顔が、2年後にはG1に出てきてくれるといいですね」とほほえんだ。
ロングディライトには当初、産駒の稼ぎ頭で5番子にあたるナリタプレリュード(中央5勝)と同じフジキセキを配合する予定だった。だが、一吉さんは「関係者に勧められてね。いい種馬を付けないと子は売れない」と、牧場の命運を賭けて1200万円の高額な配合を行うことを決めた。
25年前から繁殖牝馬を現在の7頭と半減させ、少数精鋭の経営方針に切り替えた。高額な種付け料を捻出(ねんしゅつ)するため、とうもろこし、大根、にんじんなどを家庭菜園で栽培し、自給自足に近い生活で徹底的に経費を削減。人件費も必要最低限に抑えた一吉さんは持病の心臓疾患、ヘルニアを抱えながら敦子さんとともに、愛情を持って馬の世話にあたってきた。
これまでG2で2頭(90年NHK杯=ユートジョージ、01年フローラC=オイワケヒカリ)、G3で1頭(93年函館3歳S=マリーゴッド)と、合計3頭の重賞勝ち馬を出した。だが、G1にはあと1歩のところで届かない。「後継ぎは考えていない。あと何年やれるか分からないけど、死ぬまでにG1を取りたい」。鳥井さんは、ディープ2世にホースマン人生のすべてをかけている。【奥村晶治】
[2008年1月11日8時35分 紙面から]
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