来年のリオデジャネイロ五輪出場を目指すU-22(22歳以下)日本代表候補は、湘南と練習試合を行い、後半43分にFW鈴木武蔵(21=水戸)が同点ゴールを奪い、引き分けた。鈴木は今月痛めた左太ももの状態が不安視され、後半40分からの出場だったが、得点力を一発回答で示した。

 3分で危機を救った。パスを受けると前を向いた。ゴールまで約25メートルだったが、距離は少しあってもイメージはすぐできた。迷わず右足を振り抜き、ゴールを揺らした。鈴木は「(状態が)満足でない中で、点を取れたことはうれしかったです」。来年1月のリオ五輪アジア最終予選(カタール)の対戦国を仮想した一戦で「(本番では)負けないということも大事」。ケガの状態は「まだ7割」。それでも結果を出すあたり、頼もしかった。

 昨秋のアジア大会は5戦5発でチーム得点王。世代をけん引してきたが、ケガとライバルの台頭で焦りがあった。試合前、GK3人とDF松原とシュート練習に励み、気持ちを落ち着けた。「シュート練習が効いたかな」と笑い、「もらったチャンスで取り続けていくことが大事」と気を引き締め直した。【上田悠太】