日本代表の新エース候補が誕生した。後半12分。先発したFW久保裕也(23=ヘント)がスローインからボールを受けると、中へ切り込んで左足で正確なシュートを放った。敵地で戦った23日UAE戦で決めた代表初ゴールに続く2戦連発。本田からポジションを奪い取った新星が、またしても結果を残した。

 「とにかく仕掛けようと思って、落ち着いてクロスを上げることもできた。冷静に落ち着いて(シュートを)打てたので、それが良かったと思う」

 攻撃の中心には久保がいた。前半8分には森重からパスを受けると、右サイド深い位置から中央の香川へ絶妙クロス。それが先制点につながった。同19分にもニアサイドに走り込んできた岡崎へピンポイントで合わせて2点目を演出。1得点2アシストの大活躍だった。

 普段は寡黙。J2京都時代には「俺、口べたなんで」と取材を受けることも苦手だった。スイスからベルギーへと活躍の場を移しながら、急成長。昨夏のリオ五輪出場は所属クラブが難色を示して目前で消滅したが、腐らずに努力を重ねてA代表でも欠かせない存在にまでなった。

 本田を超える存在にまでなった久保。それでも「もっともっと活躍していかないといけない。このまま続けられるように、またチームに帰って頑張ります」と宣言。23歳のエース候補の出現が、日本をさらに強くする。