日本代表前監督のイビチャ・オシム氏(67)が4日、成田空港発の航空機で自宅のあるオーストリアに帰国した。出発前には貧血を起こして座り込む場面も。一昨年11月に脳梗塞(こうそく)で倒れただけに、周囲をひやりとさせたが「早まって死んだと報道されないようにしないと」と笑って、心配を払いのけた。

 空港には代表監督就任前に指揮を執った千葉のサポーターらが約300人駆けつけ、別れを惜しんだ。オシム氏は「私は人生の中で数えるほどしか泣いたことがないが、その1回になるかも」と感激した表情を見せた。

 オシム氏は日本サッカー協会のアドバイザー契約が昨年末に切れ、フリーの状態。現場復帰の意欲ものぞかせたが「すぐにベンチに座るのはリスクが大きい。体調面の改善次第」と話した。