日本代表のFW大久保嘉人(25=神戸)が、2戦連発で最終予選進出に王手をかける。7日のW杯アジア3次予選オマーン戦に向け、3日は関西空港発の航空機で敵地へ向かった。2日のオマーン戦で貴重な追加点を挙げた大久保は、世代別代表を含め中東勢との対戦は相性がいい。気温35度前後のしゃく熱の地で、10年W杯南アフリカ大会へ大きく前進するゴールを決める。DF阿部勇樹(浦和)の故障離脱が決まり、DF高木和道(清水)が追加招集された。

 自信を胸に、大久保はオマーンへと向かった。中東勢との対戦で苦手意識はない。世代別代表を含めると10戦6発。特に04年アテネ五輪の最終予選では、2戦3発で五輪進出の原動力になった。2日のオマーン戦も豪快に2点目を挙げた「中東キラー」は、最高で40度近くも気温が上昇する敵地での戦いでも、日本を勝利へと導くゴールを挙げる意気込みを固めた。

 「中東に対しての苦手意識なんてまったくないね。オレは暑いところの方が好きやしね。逆に暑い方が動けるから。(ゴールは)もちろん、意識する。FWなんやから、それは当たり前のこと」。

 2日の試合に先発したメンバーはこの日、練習を免除され自由時間が与えられた。大久保は横浜の宿舎近くに他の選手と買い物に出かけ、つかの間のリラックスムードを満喫したという。約15時間をかけて敵地へ移動し、4日からは次戦に向けた調整が始まる。横浜合宿中にへんとう炎を発症し、まだ体調は万全ではない。再発を防止するために移動の際にも水分を十分に補給し、マスクを用意するなど体調維持に細心の注意を払った。

 勝てば3位以下と勝ち点6差になり、最終予選進出に王手がかかる。引き気味の相手にも「もっと(DF)ウラにどんどん飛び出していきたい。向こうも嫌やろうし、点も取れる。試合も楽になってくる」。今予選は全3試合に先発し2得点。不調高原が離脱した中で、エースとして十分な働きを見せている。大久保のゴールで、岡田ジャパンがまた一歩、南アフリカへと近づく。【益子浩一】