【マスカット(オマーン)4日】日本代表が敵地オマーンの酷暑に驚いた。現地到着直後、午前10時すぎで気温41・3度!

 3日の横浜市内での練習時と寒暖差は実に25度以上だった。19時間に及ぶ移動を終えた岡田武史監督(51)と選手たちもあまりの暑さにグッタリ。試合開始時間の午後5時15分になってもピッチ上は38度という“アウェーの洗礼”を受け、7日のオマーン戦に向けた練習を開始した。

 暑い…。マスカットの空港を出た瞬間、岡田監督の顔色が変わった。口を半開きにして、目前に広がる砂と岩石の大地をぼうぜんと見詰めた。到着した午前9時半(日本時間午後2時半)の気温は33度。入国審査を終えた同10時20分すぎには、41・3度に上昇。報道陣の問いかけにも「へぇ」という声を絞り出すのが精いっぱいだった。

 選手たちも驚いた。MF長谷部は開口一番「ヤバいっすね」。普段はポーカーフェースのGK川口も「本当に暑い」。前日に横浜市内で行った練習時の気温は15・6度。羽田から関空、ドバイ経由で19時間のフライトを終えた体に、約25度の寒暖差はつらい。右太もも裏に痛みを抱えるDF闘莉王は「暑いと燃える。男は汗かいてナンボでしょ!!」と大声で気合を入れた。

 当初のもくろみも崩れた。時差ぼけ解消には日光を浴びるのが効果があるといわれ、これまで代表チームも実践してきた。3月のバーレーン戦も経由地のオマーン到着直後に体を動かした。確かに適度な暑さで毛穴が開けば代謝が上がり、中東の暑熱対策にもつながるが、40度超は適度ではない。チーム関係者は「運動するのは危険」と練習時間を夕方に変更した。

 それでも7日の試合開始と同じ午後5時15分(日本時間同10時15分)になっても、練習場のピッチレベルの気温は38度。夕方でも気温がそれほど下がらないことが判明した。初練習は同5時半すぎからスタート。岡田ジャパンはたった3日で“中東の夏”になじんでいかねばならない。【村上幸将】