【マルセイユ(フランス)21日=福岡吉央】23日に開幕するトゥーロン国際大会に参加する五輪代表がフランスに到着した。海外組のFW指宿洋史(21=セビリア・アトレチコ)も、スペインからチームに合流。五輪代表でのプレーは昨年2月の中東遠征以来だが、アジア最終予選のDVDを見てチームの特徴は予習済み。チーム一の194センチの長身を生かし、ゴール前に張り付いて得点を量産し、逆転での五輪出場メンバー入りを目指す。

 誰よりも真っ黒に日焼けした顔が、この1年間の充実した日々を物語っていた。スペインから1人フランス入りした指宿は、力強い言葉でトゥーロン国際での活躍を誓った。「自分のできることをやって結果を出すだけ。最終的にロンドンに行って結果を残すことが目標。FWとして点を取ることが大事。ポストプレーもそうだが、どれだけゴールできるかです」。

 スペイン3部のセビリア・アトレチコでは今季、ペナルティーエリア内でプレーすることを意識し、31試合20得点とゴールを量産。「いろんな面で成長した。満足したら成長が止まってしまうので満足していないが、今シーズンは得点への嗅覚が少しは良くなったと思う」と、手応えを口にする。

 昨年12月の国内合宿はミーティングだけの参加だったため、五輪代表としてプレーするのは昨年2月の中東遠征以来1年3カ月ぶり。代表スタッフからシリア戦など五輪アジア最終予選数試合のDVDを送ってもらい、チームの特徴もチェック済み。「すごく個々の能力が高い。その中で自分がどう特徴を出すか。(必要なのは)点を取ること。自信はあります」と、ゴール前でのイメージを膨らませた。

 五輪ではDFラインに長身選手がそろうスペイン、モロッコと同組。ポストプレーのできる長身の指宿がメンバーに加われば攻撃のオプションが増える。またスペインで3年半プレーしたことで語学力も格段にアップ。スペイン語圏であるスペイン、ホンジュラスが同組になったため、ピッチ上での“スパイ役”も可能で「(言葉は)ある程度いけますよ」と、胸を張る。

 本大会までに残された時間は少なく、今大会で結果を残すことが生き残りへの唯一の道。1次リーグで対戦する、長身選手を擁するトルコやオランダ相手に結果を残せば、五輪切符も自然と見えてくるはずだ。

 ◆指宿洋史(いぶすき・ひろし)1991年(平3)2月27日、千葉県生まれ。小学校時代から柏の下部組織でプレーしたが、トップ昇格はできず、09年1月にスペイン2部ジローナの入団テストに合格し渡西。10年8月にサバデルへ期限付き移籍した。その後、11年7月にセビリアに移籍。今季は主にセカンドチームであるセビリア・アトレチコ(スペイン3部)でプレー。今年1月のベティス戦でトップデビューを果たした。194センチ、80キロ。

 ◆トゥーロン国際大会

 1967年に始まったフランス南部で行われる国際大会。当初はクラブチームが参加していたが、75年以降はユース世代の各国代表チームが出場。4チームずつ2組で1次リーグを行い、上位2チームが準決勝に進む。今回出場8チーム中、日本、エジプト、メキシコ、ベラルーシ、モロッコの5カ国がロンドン五輪に出場する。