<U-20女子W杯:日本0-3ドイツ>◇4日◇国立◇準決勝

 ヤングなでしこが、目標に掲げていた金メダルに届かなかった。前回優勝のドイツを相手に試合開始57秒で先制を許し、さらに前半13分、19分と立て続けに失点。後半は立て直し、FW横山久美(19=岡山湯郷)、FW道上彩花(18=常盤木学園高)を中心に攻撃を仕掛けたが、今大会無失点のドイツの守備を崩せず、0-3で完敗した。日本は8日に行われる3位決定戦に回り、メダル獲得をかけて前回2位のナイジェリアと対戦する。決勝は米国とドイツの顔合わせとなった。

 あふれ出る悔しさで、涙が止まらなかった。試合終了の合図とともに、ヤングなでしこの多くはピッチに座り込んだ。0-3での完敗に、若いチームは世界の壁を思い知らされた。

 開始57秒。左サイドを崩されると、DFラインとボランチの間のスペースを使われ、GK池田もかわされて先制を許した。今までにない早い時間帯の失点に、池田は「気持ちを切り替えられなかった」。そのまま主導権をドイツに渡してしまった。

 前半13分には、縦のロングボールに飛び出した池田の頭上を越えるループシュート。さらに同19分には、右CKから高い打点のヘディングで決められて3点目を奪われた。

 日本の最終ラインにはドイツの4選手が残り、DFがボールを持てばすぐにプレッシャーをかけに来る。ボランチにボールが渡れば、体ごと当てて奪う。日本は早い段階でボールを失い、攻撃を組み立てられないまま守備に追われた。MF猶本は「ボランチが狙われていることは分かっていた。対応できず、チームを苦しめてしまった」と反省した。

 ドイツの戦いぶりは、分析以上だった。強いプレッシャーで相手を慌てさせ、そこから一気に畳み掛ける映像は何度も見ていた。それでもセンターバック木下は「すごい勢いでボールを取りにきた。勢いやパワーは、予想以上だった」と素直に認めた。

 ハーフタイムには、主将のMF藤田を中心に「まず1点を返そう」と話した。吉田監督は「3失点までは許す。5-3で勝てばいい」と選手を送り出した。しかし、今大会無失点のドイツの守備は堅かった。FW道上は「(DFを)かわそうとしたけど、その技術がなかった。自分たちのサッカーをさせてくれないまま負けて悔しい。この試合のことは、ずっと忘れない」と話した。

 目標に掲げていた金メダルには届かなかったが、猶本は「今日の経験を生かしたい。もう勝つしかない。楽しみながら自分たちのサッカーをすれば大丈夫」。ヤングなでしこは支え合い、1つになって銅メダルという花を咲かせる。【保坂恭子】