なでしこジャパンの佐々木則夫監督(54)が、指導者の体罰撲滅を訴えた。19日、福島・広野町で「JFAキリン・スマイルフィールド・広野町復興サッカー教室」に参加。集まった43人の小学生と一緒に汗を流した後、「私たちは、選手たち、子供たちの未来に触れていることを絶対に忘れてはいけない」と熱弁。大阪・桜宮高バスケットボール部の体罰問題が大きな話題となる中、暴力には断固として反対だ。

 佐々木監督

 指導者が未熟だと、どうしてもそういう方法で指導する方向へ走ってしまう。さまざまな分野を熟知して、指導者として質を高めるのが大事。選手たちの未来に触れていることを根本に考えていけば、間違った事件が起こることはない。

 2人一組で腕も使ってボールを奪い合う練習では「こういうのはやっちゃダメ」とスタッフのお尻をキックして笑いを誘った。「仲間と触れ合い、サッカーを楽しむ。その中で戦いにはたまには痛いこともあるぞということも感じてもらえれば」。つらさや厳しさは指導者が与えるものではなく、スポーツそのものの中にあると説明した。【千葉修宏】