<アルガルベ杯:日本0-2ノルウェー>◇6日◇1次リーグ◇ポルトガル・パルシャル

 新生なでしこジャパンが厳しい洗礼を浴びた。初戦でノルウェーに完敗。2013年初戦を白星で飾ることはできなかった。国際サッカー連盟(FIFA)ランクで日本の3位に対して相手は12位。新戦力発掘を狙う日本は代表初招集6選手(先発5人)を起用したが、前半立ち上がりで2失点。大黒柱のMF澤穂希(34)宮間あや(28)が不在の新生なでしこは課題だけが残った。次戦は8日に強豪ドイツ(同2位)と対戦する。

 試合後のなでしこジャパン佐々木則夫監督(54)に、いつもの笑顔はなかった。FIFAランクでは格下のノルウェー相手に完敗。「若手に経験させて、得るものをプラスしたかったんですけど、マイナスな部分が多かった。はっきり言って監督の采配ミス」と自嘲気味に言い切った。

 あまりにも簡単に失点し過ぎた。前半8分、右サイドバック(SB)として先発起用したDF川村優が、スピードのある相手FWに抜かれて失点。同16分にも日本の右サイドのクロスから2点目を献上。佐々木監督が慌てて前半31分にロンドン五輪メンバーのDF鮫島とMF高瀬を投入したが、攻撃面でも連係を欠いて、完封負けを喫した。主将を務めたMF川澄は「結果が伴わずふがいない」とくちびるをかんだ。

 今大会はMF澤穂希(INAC神戸)やMF宮間あや(岡山湯郷)らベテランを招集せず、若手中心の人選。新たな力を試し、経験を積ませることを第一に戦えば、この結果になることもある程度は想定内。佐々木監督が遠征直前の合宿で「攻撃も守備もまだまだロスが多い。今のままでやったらガンガンにやられる」と“予言”していた通りになった。

 だが、11年W杯女王としてもう負けてはいられない。次戦は明日8日のドイツ戦。昨年のアルガルベ杯では決勝で対戦し、惜しくも3-4で敗れている相手だ。佐々木監督は「次は現状のベストで戦いたい。なんとか食い下がりながら、勝ちにつなげたい」と、さすがに主力中心に戦うことを再度、明言した。

 この日のノルウェー戦ではわずかながら光明も見られた。ボランチとして途中出場したMF田中陽が、澤の後継者として攻守に元気な姿を見せた。「後半出るとは聞いていたので心の準備はできていた。早い準備や球際の強さを学んだ。ドイツはすごく強豪なので、どこまでできるか勝負。しっかり準備して臨みたい」。ドイツとの決戦へ向け「ドイツ戦ではなでしこの意地を見せたい」という岩清水の言葉を信じたい。

 ◆アルガルベ杯

 ポルトガル連盟などが主催する女子の国際親善大会。94年から同国南部アルガルベ地方で行われ、今回が20回目。1次リーグは12チームが3組に分かれ、基本的にA、B組に実力上位チームが集まる。そのためA組とB組の1位同士が決勝を、同2位同士が3位決定戦を、同3位同士が5位決定戦など各順位決定戦を実施する。最多優勝は米国の8度。日本は今回が3度目の参加で、一昨年が3位、昨年が準優勝だった。05年からFIFAが女性審判員を派遣し、審判員育成の場にもなっている。