男女とも2連覇を目指す仁川アジア大会(サッカー競技9月14日開幕、韓国)に出場する男子のU-21(21歳以下)日本代表20選手と女子代表なでしこジャパンの18選手が21日、発表された。同日に組み合わせ抽選も行われ、男子は1次リーグD組に入ってクウェート、イラク、ネパールと対戦。B組の女子は中国、ヨルダン、台湾と戦うことが決まった。男子の手倉森誠監督(46)は、大会前に初陣を飾るアギーレ監督のサッカーを柔軟に「いいとこ取り」する意向を示した。

 日ごろ選手に説く「柔軟性」を手倉森監督が率先して示す。アジア大会の直前合宿は来月8日から行い、その1週間前にアギーレジャパンがお披露目される。日本が注目するサッカーを兼任コーチとして支える指揮官は、会見で「アギーレ流をリオ世代も採用するか?」と聞かれ、即答した。

 手倉森監督

 ぜひ取り入れたい。9月にA代表が試したものは自分たちにも生かせることばかりだと思うし、選手配置やスタイル、基本陣形からの柔軟な変更など「4-3-3」のアドバイスを札幌で聞き、U-21(代表)に生かしたい。

 会う前から「似ている」と感じていたが、今月15日の第1回スタッフ会議で初めて意見を交わし「同じ感覚で話ができる」と確信した。だから採用する。これまで3度の国内合宿で手倉森流を固める作業を重ねてきたが、アギーレ流というスパイスを加えても、ベースを崩さず化学反応を起こせる感覚があったからだ。

 その成果はリベンジで証明する。アジア大会の1次リーグで戦うイラクには、手倉森監督の初采配となった1月のU-22アジア選手権(オマーン)準々決勝で敗れた。日本に勝った勢いで同大会を制した、同世代アジア王者との再戦となる。

 この世代にとって、2年前のU-19アジア選手権でも敗れ2戦2敗の天敵だが手倉森監督はドラマチックにとらえる。「イラク(いくら?)何でも当たりすぎ。だけど、1次リーグで勝って、また決勝で当たって勝てば五分に戻せる」。苦手意識をぬぐう機会にもなる。

 クウェートとも1月のU-22選手権で対戦し0-0だった。ネパールも「全く情報がない」不気味な相手だ。アジア大会も、リオ五輪予選と同じ短期集中開催のセントラル方式。「リオへの予選を戦うイメージを構築しながら、連覇を目指したい」。W杯後初の国際大会で、手倉森ジャパンもベールを脱ぐ。【木下淳】