W杯ブラジル大会に出場したFW大久保嘉人(32=川崎F)が、アジア杯オーストラリア大会(1月9日開幕)の日本代表予備登録メンバー50人に入ることが2日、濃厚となった。ハビエル・アギーレ監督(56)の就任後、年内の親善試合6試合に招集されなかったが、日本協会関係者によるとスタッフ会議の中でリスト入りの方針が固まっているという。最終登録23人は12月中旬に発表される予定で、W杯ブラジル大会同様に「逆転選出」を狙う。

 J1で2年連続得点王を狙う大久保が、W杯に続きアジア杯にも「逆転選出」される可能性が出てきた。日本協会関係者によると、12月9日までにアジア・サッカー連盟(AFC)に提出するアジア杯予備登録メンバーに大久保を入れる方針が固まっているという。

 実は、11月の親善試合2試合のメンバーにもリストアップされながら、招集はされなかった。だが、「代表の門は常に開いている」と言い続けているアギーレ監督は、既にスタッフ会議などの議論の中で大久保を予備登録のリストに入れる意向を示しているという。

 アギーレジャパンの基本システムは4-3-3。大久保ならセンターフォワード(CF)、左右のFW、さらにインサイドハーフと称される左右のMFを柔軟にこなす能力がある。「複数のポジションをこなせる選手を探す」と言う指揮官の希望にも合致する。

 4日にアギーレ監督が欧州視察を終えて再来日した後、スタッフ会議でまずは50人の予備登録リストが最終確定させる。故障などがなければ大久保も名前を連ねる見込みだ。12月中旬にも最終登録23人が発表される予定。23人については年内の親善試合6試合に招集されたメンバーが多くを占める可能性が高いものの、50人に入った時点で最終登録メンバー入りの可能性が開けたことになる。

 大久保は12年2月以来ザックジャパンに招集されていなかったが、13年にJ1で得点王に輝いた勢いと豊富な経験を評価され、最後の最後でW杯ブラジル大会メンバーに「逆転招集」された。現在、16得点でJ1得点ランク単独首位で、J1史上初の2年連続の単独得点王も狙える位置にいる。日本屈指の点取り屋が残りわずかな枠に滑り込めば、間違いなく日本の戦力になるはずだ。

 ◆アジア杯の選手登録

 9日までに出場各国の協会がAFCに予備登録選手18~50人のリストを提出。30日までに最終登録選手18~23人を提出する。その際、1~23番の背番号も登録するが、背番号1はGKのみが使用できる。故障や病気の時のみ、各国の1次リーグ初戦の6時間前まで選手の入れ替えが可能。入れ替えは50人の予備登録リストに入った選手の中から行う。