<国際親善試合:U-21日本2-0U-21タイ>◇14日◇バンコク・ラジャマンガラ国立競技場

 タイ・バングラデシュ遠征中のU-21(21歳以下)日本代表がU-21タイ代表と対戦し、勝利を収めた。前半16分にMF豊川雄太(20=鹿島)の代表初ゴールで先制。後半ロスタイムにはFW久保のアシストでFW鈴木武蔵(20=新潟)が追加点を奪った。来年3月のリオデジャネイロ五輪アジア1次予選(マレーシア)に向けた暑熱対策として取り入れた、基本陣形の「4-4-2」システムが機能した。

 気温28度のバンコクで、手倉森監督の理想の形が見えた。今遠征での習熟をテーマに掲げる4-4-2布陣を試し、左MF豊川がさっそく結果を出した。序盤から、このシステムで求められるハイプレスと前への飛び出しでチャンスをつくり、前半16分に右MF矢島のパスを受けて先制。「監督が言っていた全員攻撃、全員守備を意識できた」と遂行した。

 五輪1次予選を意識したテストだった。開催地マレーシアの3月の平均気温と湿度は33度、79%。消耗が予想される中で手倉森監督は「フルに戦っては最後まで動けない。前線4枚で点を取る動きをつかませたい」と、省エネしながら少ない手数で攻めさせた。所属の鹿島でトップクラスの走力を誇る豊川でも「体、重かったっす」と苦笑いする環境で、後半15分から投入された久保と南野が2度、2人の連係でゴールに迫るなど早くも機能した。

 後半ロスタイム1分の追加点も狙い通りのカウンターから。前掛かりになった相手の裏を突くパスを久保が収め、右サイドでパスを受けた鈴木が左足で難なく決めた。手倉森監督は「前に行く姿勢が高まっている。縦にスピードある選手が多く武器になる」。4-3-3などで戦った9月の仁川アジア大会(韓国)で7人いたボランチを4人に減らし、代わりに入った豊川や久保、南野がフィット。効率の良い速攻だった。

 選手交代枠を無制限にするよう申し入れ、暑熱対策、選手、陣形のテストのため、GK吉丸以外の全員を試した。試合前、手倉森監督は「4-4-2、できなかったらやめるけど?」と選手に伝えたが、無用の心配だった。「守から攻の意識を強く持ってゴールへ向かえている。1月(手倉森ジャパン初陣のU-22アジア選手権)と比にならない」。年の瀬に、点差以上の成長を実感した。【木下淳】

 ◆手倉森監督と4-4-2

 仙台の監督に就任した08年からベースとする基本陣形。最終ラインを高く設定した上で前線の4人がハイプレスを仕掛け、敵陣内で奪ったボールを得点に結びつけるショートカウンターに適しており、09年の天皇杯4強(当時J2)や12年のJ1準優勝の原動力となった。押し込まれる展開を想定し、コンパクトに守りながら速攻に転じるスタイルを築いた。