<14年ニッカン・フットボールアウォーズ:日本代表編>

 「ニッカン

 フットボール

 アウォーズ」の第2回は、サッカー分析会社「データスタジアム」のデータを使って日本代表のこの1年を振り返る。計37人が出場した今年は、FW本田圭佑(28)が7アシストを記録し「アシスト王」を獲得した。昨年の2アシストから激増し、ゴールに絡んだ回数を数値化した「ゴール関係ポイント」も2年連続で1位だった。

 本田が今年も主役を張った。W杯イヤーの日本代表は13試合を戦い、7勝2分け4敗で計25ゴール。本田は13試合すべてに出場し、ともにチーム最多となる4ゴール、7アシストをマークした。ゴールの4プレー以内に絡んだ回数も最多の18回。それを数値化して合算した「ゴール関係ポイント」で2年連続でトップに輝いた。

 そのポイント数は、昨年62→今年65と大差はなかった。だが、プレーの内訳は大きく異なり、ゴール数が8→4に半減した一方で、アシスト数が2→7に激増。アシストが記録されなかったパス(2本)も含め、ゴールの1つ前のプレーは計9回を数えた。12年の同回数は3回、昨年が2回。過去2年と比較すると、今年の急増ぶりが明らかになる。

 これまでと変わらず、ゴールを狙おうとする姿勢がアシスト増につながったといえる。11月14日のホンジュラス戦、後半2分の乾へのアシストは象徴的。右サイドでパスを受けた本田は左足でシュートを狙おうと仕掛けた。DF2人がそのコースをふさごうと寄せる。だが、その瞬間、本田は走り込んだ乾にラストパス。ゴールを狙う意識があったからこそ、マークがずれ、乾がフリーになった。

 ラストパスの精度そのものも高まった。アシスト増と比例するように「スルーパス」の成功率が38%→60%にアップ。これはパスの受け手との呼吸が合ってきた証拠でもある。来年1月のアジア杯でも、ゴールに絡むプレーで主役を張ってくれるはずだ。【石川秀和】

 ◆ゴール関係ポイント

 ゴールに絡んだ回数を数値化したもの。得点=5P、得点の1プレー前(表中の<1>)=4P、同2プレー前(<2>)=3P、同3プレー前(<3>)=2P、同4プレー前(<4>)=1P。得点の1プレー前は、アシストとして記録しないケースもある。