ピクシー名古屋が「二兎(にと)を得る」。主力には休養を、若手には出場機会を与えるためエースFWフローデ・ヨンセン(34)ら出場可能な主力を5人も温存する大胆なメンバーで31日、勝てば4年ぶり予選リーグ突破となるナビスコ杯京都戦(西京極)に臨む。クラブ関係者もビックリのピクシー流。ドラガン・ストイコビッチ監督(43)は出番のない選手の試合経験と予選突破という結果の両取りに、自信をみせた。

 一瞬、目を疑った。京都戦に備えピッチで調整する主力組にヨンセンら主力がいない。代わりに花井、佐藤の高卒ルーキーMF2人、公式戦出場経験のないMF井上とDF筑城もいる。MF福島、FW新川の2年目19歳コンビも含めた6人は京都戦翌日6月1日のサテライトリーグ川崎F戦(豊田ス)出場が濃厚とみられた顔ぶれ。大半がベンチスタート濃厚だが、口ぐちに「ビックリです」。ベンチ入り経験もない佐藤は、慌てて31日の自動車学校の予約を取り消し、遠征の身支度を整えた。

 クラブ関係者でさえ「多分このメンバーで(遠征に)行くんでしょうけど…」と驚く構成。A代表の楢崎、玉田に加えU-23のDF吉田も不在。ただでさえ苦しい状況にもかかわらず、だ。消化試合なら分かるが勝てば4年ぶりにナビスコ杯予選リーグ突破となる大事な1戦。試合間隔が詰まっている訳でもなく、週1ペースで主力の起用をためらう理由はないがストイコビッチ監督は「ナビスコ杯は数多くのプレーヤーにチャンスを与える」との信念を貫いた。

 驚く周囲とは対照的に、ピクシーは平然としていた。自ら選んだのだから、当然だろうが「驚きじゃない。グランパス魂で、100%の力を出してくれると確信している。ナビスコ杯を軽視している訳でもないし、今までと同じスタイル、同じ戦いをしてくれるはず。いい経験と、予選突破という結果の両方を手にできたらいい」と言い切った。『二兎を追う者は一兎をも得ず』というが、ピクシー名古屋は果たして?

 【八反誠】