<J2:甲府4-1札幌>◇第9節◇29日◇小瀬

 コンサドーレ札幌が今季初の連敗を喫した。前半17、34分と連続失点。後半7分にMF上里一将(24)が3試合連続となるミドルシュートを決め1点差にするも、同20分とロスタイムにもゴールを許し今季最多の4失点大敗となった。前節水戸戦に続きセットプレーから2失点。弱点を突かれ、流れからも2失点するなど、昇格候補甲府との力の差を見せつけられた。

 屈辱的な試合だった。終了後、スタンドにあいさつに向かった札幌の選手たちに、約700人のサポーターから激しいブーイングが浴びせられた。「正念場だよ?

 分かってる?」。約3分間、肩を落としファンから叱咤(しった)される選手たちの後ろ姿は、敵地の大型電光掲示板にも大きく映し出されていた。

 前半で勝負は決まっていた。17分、MF岡本のパスミスからボールを奪われパス3本でシュートまで運ばれた。同34分にもパスミスから右サイドを崩され、かろうじてCKに逃れたものの、そのCKから失点。攻撃に転じても、パスミスで逆にピンチを招く完全な自滅だった。主将のDF石川は「前半はパスの出しどころがなかった。止まっていると感じた。変えられないまま45分が終わってしまった」と振り返った。

 後半からキープ力のあるMF砂川が入り流れをつかみかけたが、後の祭りだった。FW陣も4戦連続無得点と攻撃にも光明が見えない。チームは30日から熊本ミニ合宿に入るが、DF石川は「熊本で選手全員が言いたいことを言い合える機会を設けたい」と危機感を募らせた。8試合で勝ち点8。昇格の文字が、早くもかすみかけている。【永野高輔】