前回王者のドイツが史上3チーム目の連覇へ、重要な初戦を迎える。

 前回大会王者の初戦は、82年大会以降に限ると3勝2分け4敗と黒星先行。さらにW杯での連覇は非常に難しく、34、38年大会のイタリア、58、62年大会のブラジルだけとなっている。

 そうしたジンクスを打ち破ることができるか注目されるが、大会初戦のドイツは90年大会から7連勝中で通算13勝4分け1敗と、1度しか負けたことがない。

 今大会のチームは、若手の台頭が目立つ一方で、前回大会の優勝経験メンバーも健在。過去2大会で大活躍したMFミュラー(28=Bミュンヘン)は今大会も主力を務める。10年は6試合5得点、14年も7試合5得点と2大会連続5得点をマーク。3大会連続5得点以上なら、もちろん史上初で、通算得点数でも「爆撃機」ゲルト・ミュラー(14得点)を超えることになる。現在の通算10得点は歴代8位タイとなっている。

 ミュラーとともに攻撃をけん引するMFエジル(29=アーセナル)は、W杯出場試合で11勝1分け2敗の好成績。難しい記録ではあるが、全試合勝利で優勝なら通算18勝となり、通算16得点の歴代最多得点記録を持つFWクローゼの17勝(3分け4敗)を抜いて歴代最多勝選手となる。現在2位はカフー(ブラジル)で16勝(1分け3敗)。

 さらに、前回大会の最優秀GKの守護神ノイアー(32=Bミュンヘン)はW杯で通算7完封。W杯のGK最多完封記録は10完封で、82~90年のシルトン(イングランド)と98~06年のバルテズ(フランス)の2人。記録更新の期待がかかる。

 ドイツとは過去11試合で1勝のメキシコだが、今大会が16回目の出場。ブラジル21回、ドイツ19回、イタリア18回、アルゼンチン17回に次ぐ歴代5位の出場回数を誇る。

 ただ、W杯通算53試合(8位)で14勝14分け25敗と大きく負け越し。、50試合以上の国は過去に10カ国あるが、決勝進出の経験がないのはメキシコだけとなっている。通算25敗は歴代ワースト。94年大会から6大会連続で16強入りの「常連国」らしい記録でもある。

 個人記録ではDFマルケスの歴代最多に並ぶ5大会連続出場に注目。02年大会から4大会連続出場中。5大会連続となれば、50~58年のカルバハル(メキシコ)、82~98年のマテウス(ドイツ)に次いで史上3人目の快記録となる。また、主将としての出場数も、あと2試合でアルゼンチンの英雄マラドーナ(16試合)に並ぶ。開幕前の時点では、カテナチオの象徴的な存在といえるイタリアのGKゾフと14試合で並んでいる。

 ◆放送 NHK 18日午前0時