ウルグアイFWルイス・スアレス(31=バルセロナ)が節目の代表通算100試合目を迎える。過去2回のW杯で「問題児」とされた男が、今大会こそは真の輝きを見せられるか。相棒FWエディンソン・カバニ(31=パリサンジェルマン)との最強2トップでゴールラッシュが期待されている。

 過去2回のW杯ではスアレスは「悪名」の方が先行した。10年南アフリカ大会では決勝トーナメント1回戦韓国戦で2得点と勝利の立役者となるも、準々決勝ガーナ戦では故意のハンドで相手のゴールを阻止して退場に。14年ブラジル大会1次リーグのイタリア戦では相手DFにかみついた。クラブでも同様の行為をしていたことから「かみつき男」と呼ばれ、大会から追放され、4カ月の活動停止処分を受けた。

 だが、人気は絶大だ。お騒がせ男ぶりと、FWとしての才能の二面性がファンを引きつける。今はバルセロナでメッシとともにタイトルを重ね続けている。ウルグアイ代表では通算51得点は歴代最多。W杯南米予選通算21得点はメッシと並ぶ史上最多記録だ。

 カバニとの2トップは世界最強と称される。ウルグアイのデル・ソルFMのマルコス・シルバ記者は「アルゼンチンにはメッシ、ブラジルにはネイマールがいるが、2トップとなるとウルグアイと肩を並べるチームはないと自負する」と自信を持つ。2人の連係、化学反応がウルグアイを突き動かす。

 15日のエジプトとの初戦では3度の好機を逃した。後半28分にはカバニのパスで抜け出し、シュートせずにGKをかわそうとして失敗し、悔しがった。だが、タバレス監督が「ペレやマラドーナでも本調子じゃない試合を見たことがある。スアレスは試合に出てゴールを狙い続けてくれる限り、全く心配していない」と言う通り、周囲からの信頼は揺らがない。

 過去2回は不本意な形で大会を終えたが、今回は本来の力を発揮し、国民の期待に応えられるか。本物のスパースターになれるか。2戦目の相手サウジアラビアは初戦でロシアに5失点。過去の親善試合での対戦では1分け1敗だが、明らかに格下だ。A組1位突破のためにも大量得点で勝ちたいところだ。

 ◆放送 NHK 20日午後11時45分