ワールドカップ・ロシア大会決勝トーナメント1回戦・ベルギー戦に2-3で逆転負けした日本代表が、ロッカールームを清掃し、ありがとうを意味するロシア語「スパシーバ」と書いたメモと、チームカラーの青の折り鶴を残してスタジアムを後にしたことを、大会関係者がツイッターで明らかにし、写真を投稿したことが世界中で反響を呼んでいる。ところが投稿から約7時間後、そのツイートが削除され、臆測が飛び交っている。

 国際サッカー連盟(FIFA)ゼネラルコーディネーターを務めるプリシラ・ジャンセンズさんは試合後、日本代表のロッカールームを撮影した写真をツイッターで投稿。「こちらはベルギー戦で94分間の戦いに敗れた後の、日本代表のロッカールームです。彼らはスタジアムのファンに感謝した後、ベンチとロッカールームを全て掃除して、取材対応までした。そしてロシア語で「ありがとう」と書いたメモまで残した。全てのチームの誇りであり、一緒に仕事が出来たことを誇りに思う」と称賛のメッセージをツイートした。

 そのツイートを、日本はもちろんスペインや中国など各国のメディアが引用し、全世界に拡散された。それが削除されたことに「元ツイートがない?」、「ツイートしてはいけないものをツイートしたのか?」、「反響の大きさについていけなくなったのか?」などと疑問の声が相次いでいる。

 一方で、ジャンセンズさんのツイートに対し、米女子プロサッカークラブ「シカゴ・レッドスターズ」アシスタントコーチのゲーリー・カーネン氏は「ここでの『ありがとう』は、少し違う種類ではないだろうか? 我々は、怒りやイライラを競争と関連づけるのに慣れている。感謝の言葉は我々に、彼ら日本代表が試合で見たこと、経験したことについて、より深い洞察を与えてくれる」とツイート。「ありがとう」という言葉を残し、大会を後にした日本代表の行動に、より深い考察を加えるべきだと示唆した。ジャンセンズさんは、カーネン氏のツイートはリツイートしている。

 また、ジャンセンズさんのツイートに先立ち、ワールドカップ公式ツイッターは、MF乾貴士(30=エイバル)がピッチに座り込む写真をツイートし、「意気揚々とするベルギーの一方、傷心の日本…でも、高貴さをロシア大会に与え、ワールドカップに大きな貢献を果たした日本代表…ありがとう」と感謝した。