<欧州CL:マンチェスターU1-0アーセナル>◇29日(日本時間30日)◇準決勝第1戦◇マンチェスター

 さすがは王者マンチェスターUの主将だ。後半43分。ゴール前の混戦で体を強打したファーディナンドは、その場で応急処置を受けてからピッチ外へ。すぐに交代を告げられたが、本人は気付かない。痛みで表情をゆがめながらピッチへ戻りかけ、駆けつけたファーガソン監督に止められた。

 試合翌日が誕生日のオシェイが先制点を決め、マンチェスターU一筋のギグスが公式戦800試合出場を達成。合唱が続くなどスタンドは祝福ムードに包まれたが、主将は緊迫感の緩みを許さない。指揮官は「無失点で勝つという目的をしっかり遂げてくれた」と目を細めた。

 3季連続で4強にイングランド勢が3チーム残ったのは、元来の闘争心に技術が伴ってきたからだとされる。この日の両チームもC・ロナウドやルーニー、ウォルコットらが果敢な真っ向勝負を見せた。その中でも相手の大黒柱アデバヨールを完封したファーディナンドは貫禄(かんろく)があった。

 多くの場合、優勝するチームには突出した選手がいる。それが得点を量産するアタッカーとは限らない。ファーガソン監督は「リオ(ファーディナンド)が次戦も大丈夫であることを祈る」と実感を込めて言った。

 [2009年4月30日11時7分]ソーシャルブックマーク