カターニャFW森本貴幸(19)が、大手スポーツ用品メーカーのアディダス・ジャパン(東京都新宿区)と大型契約を結んだことが3日、分かった。11年2月までの3年契約で、契約金は推定6000万円とみられ、今日4日に正式発表される。国内トップクラスのほぼ倍額で、A代表歴のない10代の選手では破格の条件。用具提供など環境面でも強力なバックを得て、8月の北京五輪と10年W杯南アフリカ大会を目指す。

 五輪イヤーを迎えた怪物が、代表デビューへ向けて足元を固めていた。森本はナイキ社との契約満了により、水面下でアディダス社と交渉。2月に、8月の北京五輪はもちろん、10年W杯を視野に入れたメーカー側の3年契約で合意していた。「海外で挑戦し続けるうえで必要なサポートをしてもらえる。契約できてうれしい」と話す。

 年間約2000万円の契約金は、Jクラブに所属する日本代表クラス相場の倍額。今後のリーグ戦や代表戦で実績を残せば「出来高」として上積みされる。さらに、森本専属のスタッフによる用具提供やスパイクの開発も検討されており、サッカーに集中できる環境も整う。メーカー側は具体的な契約内容を明らかにしていないが、関係者は「J最年少得点記録の樹立や海外挑戦など、不可能なんてありえない、というアディダスのブランドメッセージに合致する選手。10年W杯を見据えた複数年契約」と将来性を高く評価している。

 北京五輪に出場するU―23(23歳以下)代表への初招集も現実味を帯びてきた。この日、同代表の反町監督が欧州視察へ出発。左太もも裏を痛めて戦列を離れている森本の情報も入手しており、復帰濃厚な9日のカリアリ戦を視察する予定。「筋肉系のケガは、練習に復帰してからが大事。どこまで回復できているのか」と状態をチェックするつもりだ。周囲の期待と評価を力に、若きストライカーが夢舞台を目指して戦う。