[ 2014年2月14日2時23分 ]男子SP審判員にアピールするプルシェンコ(撮影・井上学)<ソチ五輪:フィギュアスケート>◇13日◇男子ショートプログラム

 ロシアの皇帝をアクシデントが見舞った。プルシェンコの滑走順は7番手だった。第1グループ6人の滑走後、6分間の直前練習に入った。練習中、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を飛んだ後、異変は起きた。

 着地したプルシェンコの足が氷で滑り、上半身と下半身のバランスを大きく崩した着氷となった。その後、腰に手を当て、痛がるそぶりを見せた。

 第2グループ、トップバッターのプルシェンコだが、選手紹介を告げるアナウンスが場内に流れると、審査員に近づき「緊急事態」を説明。そのまま演技を断念した。リンクを去る間際には、左手で痛めた腰に手を当てた。「昨日、腰を痛めた。(演技直前の)6分間練習でダメだと感じた」(プルシェンコ)

 予期せぬアクシデントに観客席もどよめいた。団体戦では、SPで2位、フリーで1位。ロシア金メダルの原動力となったプルシェンコの姿は痛々しかった。

 日本の羽生、高橋、町田、カナダのパトリック・チャンと並ぶ5強の一角を占めていた31歳プルシェンコがアクシデントに屈する格好で、戦わずして個人戦はソチの舞台から消えた。