陸上の第12回世界選手権は15日から23日までベルリンで開催される。前回の大阪大会と北京五輪の惨敗を受け、日本は目標を「メダル1、入賞6」と低めに設定。世代交代した布陣で3年後のロンドン五輪に向けた第一歩と位置付ける。男子、女子、マラソンの順に見どころを探った。

 大会最大の目玉は北京五輪で男子短距離3冠に輝いたウサイン・ボルト(ジャマイカ)だ。196センチの長身を利して加速する走りは今季も健在。故障から復活し、100メートル、200メートルで大会2連覇を狙うタイソン・ゲイ(米国)との対決は目が離せない。

 今季から歩幅を広げた新走法で後半の加速が増した塚原直貴(富士通)は100メートルで日本人初の決勝進出を目指す。200メートルは好調の高平慎士(富士通)が2003年大会の末続慎吾(ミズノ)以来となる決勝に進めるか。北京五輪で銅メダルを獲得した400メートルリレーは江里口匡史(早大)ら新戦力を加えて上位をうかがう。

 50キロ競歩で北京五輪7位の山崎勇喜(長谷川体育施設)は、誘導ミスで途中棄権となった前回の悔しさをメダル獲得で晴らせるか。ハンマー投げの室伏広治(ミズノ)は腰などの故障による調整遅れが懸念される。

 400メートル障害は成迫健児(ミズノ)が0秒01差で決勝進出を逃した前回の雪辱を期す。棒高跳びの沢野大地(千葉陸協)、走り高跳びの醍醐直幸(富士通)は自己記録を出せば上位を狙える。1万メートルはケネニサ・ベケレ(エチオピア)が4連覇を狙う。(共同)