Qちゃんも異議あり-。00年シドニー五輪女子マラソン金メダリストで、日本陸連理事でもある高橋尚子氏(42)が20日、世界選手権(8月、北京)女子マラソン代表選考について「わたしは承認していない」と不満を口にした。11日の発表会見の前に行われた理事会では、ただ1人「異議申し立て」をしたが、他に同調する理事はいなかったという。一時は理事職の辞任も考えたが「外に出る前に、中で意見を出す」と思いとどまった。

 11日に発表された女子代表3人には、横浜国際を制した田中智美(第一生命)が選出されなかった。選考レース唯一の優勝者だったが、選ばれたのは大阪国際3位の重友梨佐(天満屋)だった。田中の落選理由を、日本陸連は「強い人を選んだ」と説明。高橋氏は「強い選手は重友さんかもしれないが、選考では田中さんが1歩リードしていた」と持論を口にした。

 マラソンの代表選考では、これまでも何度も物議を醸し出してきた。来年にはリオデジャネイロ五輪も控える。高橋氏は「代表に入った人も、落ちた人も納得できる説明がないといけない。それが選手を守ることだし、選手も次に進むことができない」と続けた。金メダリストの言葉には説得力があった。【田口潤】