前世界記録保持者のウィルソン・キプサング(34=ケニア)が2時間3分58秒をマークし優勝した。国内最高記録は09年福岡国際でケベデ(エチオピア)が樹立した2時間5分18秒。国内のレースでは初の2時間3分台をマークした。

 キプサングは「体調も天気もコースもいい。世界記録を狙っていた」と振り返った通り、序盤から世界新記録を上回るハイペースで展開。中間点が1時間1分21秒、ペースメーカーが外れる30キロ地点も1時間27分27秒(設定タイム1時間27分0〜30秒)と世界最高ペースを維持し、チュンバと2人で世界記録2時間2分57秒更新の夢が膨らんだ。しかしその後は徐々にペースダウン。「少し風があった」とキプサング。チュンバが遅れ35キロ通過は1時間42分26秒と世界最高ペースからは39秒遅れた。

 結局、世界記録更新はならなかったが、国内最高記録を1分20秒上回る記録でゴールした。レース後、キプサングは「非常にいいコースだった。(2020年の東京五輪に)戻ってきたい。ここでまた走りたいです」。自身9度目のマラソン優勝に満足そうだった。