強豪として知られる東海大大阪仰星高ラグビー部で昨年12月に暴行事案が発生した件について、同校が22日、取材に応じ、学校側として警察への通報や相談はしていなかったことが分かった。

昨年12月31日に当時3年生だった男子部員が、同学年の別の男子部員に首を絞められて意識を失う事案が発生。同校は「花園」と呼ばれる冬の全国高校ラグビー大会で6度の優勝を誇り、事案発生は同部が出場した大会期間中だった。

当該生徒は加害生徒に首を絞められたことで、頭をコンクリートの地面に強打。監督は119番通報をしなかったが、被害部員は帰宅中にけいれんを起こし、救急搬送された結果、脳振盪(しんとう)や頭痛などの症状によって全治2カ月と診断。加害生徒の常習的な暴行は確認されていないが、今年2月にいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定された。

ラグビー部の監督は本事案が発生した当日に管理職へ相談したものの、学校として警察への通報はせず。全国高校ラグビー大会への参加を継続し、1月1日、3日も出場した。被害生徒と加害生徒は、ともに登録メンバーではなかった。学校は「詳細の把握途中」としながらも「出場の継続は適正だったと認識している」と回答した。

加害生徒は「非常に危険な行為であったことを重く受け止め、相手に多大な不安と負担を与えたことについて深く反省している」としている一方で、被害生徒は「なぜこのようなことが起こったのか全く分からない」とコメント。監督は報告がなされた時点で校長、副校長から厳重注意を受けたが、懲戒的な処分は受けず、継続的に指導にあたっている。「今後このような事案が2度と発生しないよう、学校および部として安全管理と指導体制を見直し、再発防止を徹底してまいります。また引き続き丁寧な生徒指導を徹底していきたいです」と話しているという。

同校はすでに文科省などに報告書を提出。本事案をすぐに公表しなかった理由については「被害生徒および関係者のプライバシーや心情への配慮」を踏まえ、慎重に判断したためという。

現時点で大会の参加自粛は予定していない。同校は取材に対し「生徒の安全に関わる重大事案であり、学校組織として重く受け止めたい。初期対応を含めた安全管理のあり方を見直し、生徒の安全・安心を最優先に再発防止に努める」としている