「世界のカワウチ」が世界中のメディアから注目された。ボストン・マラソン(4月)を制した川内優輝(31=埼玉県庁)は5日、シカゴ・マラソン(7日)の有力選手として同市内ホテルで行われた記者会見に日本選手として1人だけ出席。1カ月に1レース出場など常識を覆す「川内スタイル」に質問が殺到した。

16年リオ五輪銅のゲーレン・ラップ(32=米国)ら豪華な出場者の中でも、川内への注目度の高さは抜群だった。記者会見が終わって別室で行われた「囲み取材」でも各国メディアが質問攻め。レースに向けては夏場の猛暑で満足な練習ができず「50%ぐらいの仕上がり」と言いながらも「注目されるのは、うれしいですね」と笑顔で話した。

公務員として働きながらレースに出続ける「市民ランナー」は、レース前後の歯に衣(きぬ)着せぬ発言とともに国内では「異色のランナー」として有名だった。ボストンを制したことで世界的に名が売れ、そのキャラクターが注目されることになった。前日には米紙ニューヨーク・タイムズも特集。ボストンと同じ世界最高峰シリーズ「ワールド・マラソン・メジャーズ」のシカゴを前に「世界のカワウチ」になった。

「現状ではトップ集団につくのは難しい。ただ、できるだけ粘りたい」と話したが、7日の予報が雷雨なのは川内にとっては朗報。悪天候のボストンに勝っただけに「冷たい雨が降って結果が悪かったことは今までない」とも話していた。