日本自転車競技連盟の公式スポンサーの健康補助食品会社、梅丹(めいたん)本舗(大阪府摂津市)のサプリメント2商品に、世界反ドーピング機関(WADA)が指定する筋肉増強作用のある禁止薬物が含まれていたことが分かった。21日、同社の松本喜久一社長(52)が会見を開いて全面謝罪した。日本代表選手らに無償提供されており、リオデジャネイロ五輪を前に影響が懸念される。

 禁止薬物が含まれていたのは梅丹本舗の「古式梅肉エキス」と「トップコンディション」の2商品。筋肉増強作用のある、たんぱく同化ステロイド「ボルジオン」だったという。今年2月、英国の機関に検査を依頼し含有が発覚。現在検査は途中段階で、量はごくわずかと推定されている。

 同社は11年から公式スポンサーとしてロードレース日本代表やパラリンピックを含む約50選手に商品を無償提供してきた。大会では常時、選手が自由に摂取できる状況だったが、実際に何人が摂取していたかは不明という。松本社長は「選手には本当に申し訳ない。アスリートの脂がのっている時につまずいて欲しくない。弊社の商品は使っていただきたくない」と頭を下げた。

 今月6日、検査機関から同社に古式梅肉エキスに禁止薬物が含有されていると通知された。翌7日に選手へ電話などで今後使用を禁止するよう通達。ある選手からは「梅丹、嫌いや」とののしられたという。一般の使用への「副作用はない」が、ドーピング検査を受けた場合は陽性反応が出る可能性もあり、同社は対象の2商品以外にも古式梅肉エキスが配合された6商品の使用中止を喚起した。

 同社は07年にアスリート向けの商品開発を開始。同時に日本アンチ・ドーピング機構(JADA)へ加盟を問い合わせたが新規募集しておらず、独自で検査機関を探したという。しかし、日本国内では発見できず、今年から英国の機関で検査を実施した。松本社長は「商品は青梅を凝縮した物。梅であれば問題ないと思った。今思えば脇の甘いスタートだった」と悔やんだ。今後、スポンサー契約の継続か否かは日本連盟へ一任するとしている。

 ◆自転車のリオデジャネイロ五輪代表 自転車競技はトラック(ケイリン、スプリント、オムニアムなど)ロード、MTB(マウンテンバイク)、BMX(バイシクルモトクロス)の4種目。トラックのスプリント男子は4人。女子は塚越さくらが選出。ロード男子は2人。女子は未定。MTBは男子が出場枠1を獲得。国内選考会(時期、場所未定)の優勝者が決定。女子は未定。BMXは男女とも出場枠を獲得していない。