服部真夕(27=LIXIL)が2バーディー、2ボギーの72で回り、イーブンパーで首位と5打差の3位につけた。アプローチイップス対策として、グリーンエッジからユーティリティーを使った寄せでしのぎ、好調のパッティングでカバー。上々のスタートを切った。

 2番パー4の第3打、服部はグリーンエッジから20度の3番ユーティリティーで転がした。10メートルを残しても、パットでねじ込んでパーセーブ。「パター感覚で転がせるので、結構やるんですよ。私の場合、球を上げる方がイメージを出しづらいので」。ロフトが立っている分、ボールに当てやすく、大失敗はしづらい。今季リカバリー率(パーオンを逃したホールでパー以上のスコアで上がった確率)が規定ラウンドを満たした95選手のうち、下から3番目。苦肉の策だった。

 長く悩まされてきたアプローチイップスだが「最近は良くなってきました」と笑う。「上げるよりも転がす。『ライン出し』みたいな感じです」。さらに絶好調のパッティングが心理的余裕を生む。「『寄せなきゃいけない』と思うと緊張するけど、パットがいいから割り切ってできる。ある程度残っても『パットで入れればいいか』って」。15番では15メートルの長いバーディーパットを沈めてみせた。

 この大会は過去2年連続で予選落ち。1ケタ順位も08年大会の5位が最初で最後。苦手と付き合いながら勝つ-。今のスタイルを体現するには、格好の舞台かもしれない。【亀山泰宏】