松山英樹(23=LEXUS)が16年初戦で好発進を決めた。6バーディー、2ボギーの68で回り、4アンダーで首位と2打差の8位。フェアウエーキープ率が30%を切るなど珍しくショットが乱れる中、パッティングがさえて一時は首位に並んでみせた。

 松山の満面の笑みが物語っていた。合計26パットにまとめ「3パットを2回したけど、今までにない、いい感じ。いろいろ試せる部分は試せた」。ポイントとなったのがパーオンに失敗した2番。3メートルのパーパットをねじ込んだ。「バーディーを取って、いい流れでいきたかったところだった。いいセーブだったと思いますね」。前半を2アンダーで折り返し、直前の1番でバーディーを奪っていた。

 「試合を作るのはショット、試合の流れをつかむのはパター」が持論。何度も上位に顔を出しながら勝てなかった昨季を通じ、あらためて感じた部分でもある。年明けすぐに渡米したが天候などにも恵まれず、思うような調整ができなかった。仕上がりの悪さを自覚していたショットは「何をやってもうまくいかなかった。ティーショットがフェアウエーに4回しかいってない」。そんな中でも好スコアで踏ん張れたのは、流れを手放さなかったから。グリーンを外した6ホールすべてで粘り強くパーを拾い「微妙なパーパットをたくさん残したけど、それを決め切れた」とうなずく。

 この日は比較的易しいとされる北コースだった。600ヤード以上距離が延びる南コースに向け「ショットが安定しないとスコアが作れない。しっかりフェアウエーにいくよう、どうにかしたい」と引き締める。24日に岩田、石川とそれぞれのチームメンバーも伴ってサンディエゴの焼き肉店に出掛けた。09年のWBCで連覇を果たした日本代表が決起集会を開いた、縁起のいい店だ。世界の頂点を目指す戦いが、今年も始まった。