小平智(27=Admiral)が6アンダー、64で今季2度目の首位発進を飾った。7バーディーを奪い、首痛に苦しんだ今季前半戦で磨いた小技がさえ、ボギーは1個だけ。米下部ツアー最終予選会(12月8日開幕、米フロリダ州)の挑戦を熱望しており、出場権の「10月26日時点の日本ツアー賞金ランク5位以内」をクリアへ今季初優勝に意欲満々だ。1打差2位に今平周吾(23)がつけた。

 前半13番パー4は、残り185ヤードの第2打を7番アイアンでピン前1メートルにつけた。ショットメーカーらしいバーディーだが、小平の成長の跡はそこではない。アプローチだ。11、12、3、7番でいずれも1メートル以内に寄せ、パーでしのいだ。「特によくなったのはバンカーショット」。4月から約2カ月、首痛に悩み、長いクラブの練習ができず、ショートゲームの強化期間に充てた。

 海外志向が強く、標的は12月の米下部ツアー最終予選会。出場資格は10月後半のブリヂストンオープン終了時点の賞金ランク5位以上だ。現在43位の小平は今大会を含む5試合で、約4547万円差を詰めないといけない。「ここまでモヤモヤ感はあったけど、焦りはなかった。『いずれうまくいく』と思っていたので」。持ち前のショットに加え、ショートゲームも整った。小平の反撃が始まった。【加藤裕一】