史上初の2週連続アマチュアVへ、勝みなみ(18=鹿児島高)が1イーグル、1バーディー、1ボギーの34で前半を終え、通算4アンダーでリードするグループと1打差につけた。勝と同組だった前週日本女子オープン優勝の畑岡奈紗(17=茨城・ルネサンス高)も同4アンダー。濃霧と雨で進行が大幅に遅れて日没サスペンデッドとなり、9人しか第2ラウンドを終えられなかった。9日の天候などを考慮し、競技は36ホールに短縮。9ホールを残す笠りつ子(28)らが通算5アンダーまで伸ばしている。

 「入れ!」。8番パー5で勝の叫びが届いた。残り42ヤード、58度のウエッジで放った第3打がカップインしてイーグル。優勝のチャンスをたぐり寄せた。

 同組の畑岡との“スーパーアマ対決”。「最初は意識するかなと思いましたが、そんな雰囲気もなく、とにかく楽しくラウンドできました」と充実感をにじませた。雨や濃霧の影響で合計3時間近く待たされた1日。待ち時間はラジオ体操や2人が好きな鶏五目おにぎりの話題で盛り上がった。「話していたから中断は気にならなかったです。笑うと血の巡りも良くなるのか、体が冷えずに温かくいられました」と振り返る。

 今大会後にもプロ転向が見込まれ、米ツアー2次予選会も控える畑岡に対し、勝は14年に優勝後、アマとして2勝目を目指してきた。高校卒業後、来年7月下旬のプロテストまでの期間を有効活用するために米ツアー予選会受験を考えたこともあったという。「ギリギリまで迷いました。でも、母と2人で話し合って決断しました。日本でしっかり調整してプロテストに備えよう、と」。ともにアマチュアで勝った2人は、違う道を歩みながら成長の階段を上っている。

 奇妙な共通点? もある。勝の母久美さんと畑岡の母博美さんは生年月日が同じ2月22日(年齢は久美さんが3歳上)。前日夜は勝が梅納豆スパゲティ、畑岡が魚介のスープスパゲティを食べ「今日も食べます」と口をそろえた。「久しぶりにゴルフが楽しいです。優勝は考えないようにして、アンダーで回る目標達成を第一に考えて回りたい」。史上初のアマ2勝へ自然体で臨む。【亀山泰宏】